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日本通運、物流センターのグローバル標準システムを拡充し2024年夏から順次展開

DIGITAL X 編集部
2024年4月9日

NIPPON EXPRESS(NX)ホールディングス・グループの日本通運は、自社開発しグローバル展開している倉庫管理システムを拡充する。作業状況を示す各種データから物流センター全体の最適化を図れるようにするのが目的だ。2024年夏から千葉県内にある物流センターへの本番導入を始め、グループ企業および海外拠点にも順次導入していく。2024年4月3日に発表した。

 NIPPON EXPRESS(NX)ホールディングス傘下の日本通運は、物流センターにおいて、自社開発した倉庫管理システム「NX-GLOW」を稼働させている。今回、物流関連システムを開発するGROUNDの倉庫実行システム「GWES」を使って機能拡充を図ることを決めた。物流センター内で発生する各種データから現場の作業量を予測したり在庫推移の可視化したりして物流センター運営の最適化を図る(図1)。

図1:日本通運は、独自の倉庫管理システム「NX-GLOW」と、GROUND製の倉庫実行システム「GWES」を連携し、データに基づく物流センター運営の最適化を図る

 まずは千葉県内にある物流センターから導入を始め、2024年夏の本格稼働を目指す。その後、本システムを標準システムに位置付け、国内の物流センターおよびNXグループ各社にも展開。2025年からは多言語化を図りグローバルに展開したい考えだ。

 新システムにより最適化を図る対象は主に(1)人員配置と(2)在庫管理である。人員配置では、ピッキングや検品などの作業データを一元管理し、進捗状況をリアルタイムに把握できるようにする。作業実績から将来の作業量を予測し、繁閑に合わせて業務終了時間を決めたり配置を横断的に変更したりすることで、労働時間および人件費の削減を図る。

 在庫管理では、物流センターのレイアウトをデジタル地図に展開し、在庫を置いている棚ごとに商品の出荷頻度をヒートマップとして表示する。重要度が高い順にグループ管理するABC分析を実施し、商品の保管や作業効率を高めるための在庫配置を模索する。

 採用したGWES(GROUND製)は、倉庫実行システム(WES:Warehouse Execution System)として複数の機能モジュールを提供する。今回の連携では、業務進捗管理(PA:Progress Analyzer)、作業量分析(WA:Workload Analyzer)、在庫分析(IA:Inventory Analyzer)、在庫最適化(SO:Slotting Optimizer)およびデータ連携(DC:Data Connector)と地図作成(ME:Map Editor)の6モジュールを利用している(図2)。

図2:日本通運の倉庫管理システム「NX-GLOW」との連携には、GWESが持つ機能モジュールから5つを利用している

 日本通運は、今回の新システム構築プロジェクトを2022年6月に立ち上げた。倉庫・物流センター全体における状況把握と分析、オペレーションの効率化、人・マテハン機器・ロボットなどの最適化を目指していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本通運
業種物流
地域東京都千代田区(本社)
課題物流センター業務の最適化を図りたい
解決の仕組み独自の在庫管理システムであるWMS(倉庫管理システム)に、WES(倉庫実行システム:GROUND製)を連携し、作業状況や在庫の推移を示すデータから、現場の作業量を予測したり在庫推移の可視化したりすることで物流センターの運営業務の最適化を図る(図1)。
推進母体/体制日本通運、GROUND
活用しているデータ物流センターにおける作業員の活動データや在庫データなど
採用している製品/サービス/技術倉庫実行システム「GWES」(GROUND製)、倉庫管理システム「NX-GLOW」(日本通運製)
稼働時期2024年夏(千葉県内物流センサーへの導入開始時期)