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大分県、庁舎内の複数階へ配達物をロボットで届ける仕組みを実証

DIGITAL X 編集部
2024年5月31日

大分県は、県庁に届いた配達物を配達ロボットで届ける実証実験を実施した。配達ロボットとエレベーターの動作を連係し、複数階に届けられるようにしたのが特徴。荷物の受け取りに掛かる手間を省くのが目的だ。実証に参加した日本オーチスが2024年4月9日に発表した。

 大分県庁が実施したのは、庁舎内での配達に、人の指示を受けず自律型で走行できる配達ロボットを使う実証実験。庁内の各部署宛の郵便物や小包が集積する文書室から対象部署まで、配達ロボットがエレベーターを乗り降りしながら届けられるかを検証した(写真1)。

写真1:自律型ロボットがエレベーターを乗り降りし、複数階にある目的の部署まで郵便物などを届ける

 実験には、自律型ロボットの「WILL」(FIG製)とエレベーターの「Gen2 Prestige」(米オーチス・ワールドワイド製)をAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)である「Otis Integrated Dispatch(OID)」を使ってクラウド経由で連携した。WILLは、ボタン操作なしにエレベーターを呼び出せる。

 郵便物などは文書室で部署別に仕分けし、WILLに搭載する。自律走行中に受け取り対象者以外が荷物を取り出せないよう、WILLが持つ顔認証システムを使い、事前に登録した職員だけが出せるようにし、セキュリティに配慮した(写真2)。

写真2:該当部署だけが荷物を取り出せるよう顔認証システムで個人を確認した

 文書室には、庁内外から郵便物や小包が届くが、各部署の職員が文書室に受け取りに行くなどが業務遂行上の手間になっているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大分県
業種公共
地域大分市(本庁)
課題郵便物や小包を県庁職員が文書室まで受け取にいくことが手間になっていた
解決の仕組み自律型ロボットがエレベーターを使って複数階を移動し、文書室の荷物を目的の部署まで届ける
推進母体/体制大分県、FIG、日本オーチス・エレベータ
活用しているデータ配送先部署の位置、職員の顔データなど
採用している製品/サービス/技術自律型ロボット「WILL」(FIG製)、エレベーター「Gen2 Prestige」と連携用API「Otis Integrated Dispatch」(米オーチス・ワールドワイド製)
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