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トヨタレンタカー、販売機会の損失防止に複数の予約サイトに提供する在庫を一元管理
2024年6月5日
トヨタ自動車は、運営するレンタカー事業「トヨタレンタカー」において、複数のOTA(オンライントラベルエージェント)サイトに提供する在庫を一元管理する仕組みを導入した。各サイトに事前に予約可能な台数を割り振ってきたが、予約機会損失につながるほか、再振り分けに当たる担当者の業務負荷が課題になっていた。システムを開発したメトロエンジンが2024年4月15日に発表した。
トヨタ自動車のレンタカー事業「トヨタレンタカー」が導入したのは、旅行商品などをオンライン販売するOTA(オンライントラベルエージェント)に提供するレンタカーの貸出可能な在庫を一元管理するシステム(図1)。全国に1100店舗あるトヨタレンタカーが持つ予約可能な総台数を各OTAに常に在庫として提供することで、あるサイトでの在庫切れによる販売機会の損失防止につなげる。従来、在庫数は各サイトに対し担当者が手入力で1日に2~3時間かけて振り分けていた。
OTAが運営するサイトに表示されるホテルやレンタカーなどの在庫量は、各サイトの予約状況などに応じて事前に割り振って運営されるケースが少なくない。サイトごとに予約できる数の上限を設定することで、総在庫数を超えて予約してしまうオーバーブッキングを避けるためだ。だが、あるサイト上で売り切れた際に、他サイトに在庫があっても販売できないない状態が発生する。
そのためトヨタレンタカーはこれまで、複数の担当者が複数の予約サイトの管理画面を見ながら、販売状況に合わせて在庫の振り分けを手作業で調整してきた。ただ、振り分け作業ができる担当者が不在の際は、調整作業が中断するなど、販売機会を逃すことにもなっていた。
新しい仕組みは、AI(人工知能)ツールを開発するメトロエンジンが提供する在庫管理システム「メトロコンダクター」を使って構築した。複数のOTAサイトの予約状況や在庫状況を1つの管理画面で一覧でき、販売状況に合わせた振り分けが容易になるという。
企業/組織名 | トヨタ自動車(トヨタレンタカー) |
業種 | サービス |
地域 | 愛知県豊田市(本社) |
課題 | 複数のOTAサイトに在庫を事前に割り振ってきたが、全体としては予約可能な在庫があっても、特定のサイトでは在庫切れになり販売機会を逃してしまう |
解決の仕組み | 総在庫数を一元管理し、複数のOTAサイトに総在庫数を常に表示することで、特定サイトでの売り切れ状態を回避する |
推進母体/体制 | トヨタレンタカー、メトロエンジン |
活用しているデータ | トヨタレンタカーが提供可能な総在庫数、OTAサイトの在庫数など |
採用している製品/サービス/技術 | 在庫管理システム「メトロコンダクター」(メトロエンジン製) |
稼働時期 | −− |