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静岡銀行、地域活性化サービスの強化に向けデータ活用専門部署を設立

DIGITAL X 編集部
2024年6月11日

静岡銀行は「データサイエンス統括室」を新設した。地域課題の解決につながる顧客や自治体向けのサービスを改善・開発するために行内のデータ活用を主導する。統括室の運営支援を受けるりそなホールディングスとブレインパッドの2者と業務委託契約を2024年4月30日に結んだ。同日に発表した。

 静岡銀行が新設した「データサイエンス統括室」は、同行におけるデータ活用を主導するための専門部署(図1)。顧客や自治体に提供しているサービスや支援策の改善や開発において行内データの分析結果を活用し、地域の課題解決を目標にする。

図1:静岡銀行がデータサイエンス統括室で進めるデータ活用のイメージ

 データサイエンス統括室の主な取り組みは、(1)分析テーマの拡大と(2)組織変革・人材育成の2つ。分析テーマの拡大では、AI(人工知能)技術を使った顧客ニーズ予測の精緻化や業務プロセス変革などをテーマに、データ分析に関わる関する行員のスキル向上やナレッジの蓄積を進める。

 組織変革・人材育成では、同行の本部行員を対象に、ビジネスと分析の両方に基本スキルを持つ専門人材を育成し、最適な部署に配置する。行員のデータリテラシー向上のための研修も準備し、営業関連部門から受講できるようにする。対象部門は、研修内容を更新しながら広げる予定である。

 静岡銀行は2023年11月から、りそなホールディングスとブレインパッドの支援を受け、NISA(少額投資非課税制度)口座開設ニーズの予測や、各種サービスの利用状況の可視化などに取り組んできた。営業推進策やデータサイエンス人材の育成に一定の成果を得られたことから、2者からの支援を継続するための業務委託契約を締結した。例えば分析テーマの拡大では、2者に所属するデータサイエンティストが参加して施策を推進し、ビジネス効果を早期に獲得できるようにする。

 今後は、データサイエンス統括室が主導する取り組みをしずおかフィナンシャルグループ全体に拡大し、地域経済の活性化などにつなげたい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名静岡銀行
業種金融・保険
地域静岡市(本店)
課題地域課題の解決につながる、顧客や自治体向けサービスを提供したい
解決の仕組みデータサイエンス統括室を新設し、サービスや支援策の改善・開発にデータ分析結果を活用する
推進母体/体制静岡銀行、りそなホールディングス、ブレインパッド
活用しているデータ顧客や自治体との取引データ、地域課題などの情報
採用している製品/サービス/技術データサイエンティストによる施策推進支援(りそなホールディングスとブレインパッドへの業務委託)
稼働時期2024年4月30日(りそなホールディングスとブレインパッドとの業務委託契約の締結日)