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パナソニック エレクトリックワークス社、サプライチェーンを強化する需要予測システムの本格運用を開始
2024年6月21日
電設資材メーカーのパナソニック エレクトリックワークス社は、サプライチェーンのレジリエンス(回復力)を高めるための需要予測システムの本格運用を開始した。国内外3000拠点以上のデータを横断的に分析する。システムを開発した富士通が5月29日に発表した。
住宅やオフィス、商業施設で使う電設資材を製造するパナソニックのエレクトリックワークス社(以下、パナソニックEW社)は2024年4月、需要予測システムの本格運用を開始した(図1)。国内外にあるサプライヤーや工場など3000社以上に散在するデータを横断的に統合・分析し、約20万ある部品の供給を、災害発生や事業環境の変化時にも維持できるようにするのが目的だ。
需要予測に向けては、生産、販売、在庫、部品調達など20種の業務システムのデータを統合し、約20万品番の部品の在庫や発注情報を可視化した。そのうえで、過去5年分の主要部品の販売実績を元に300種の予測モデルを生成し、PSI(Production:生産、Sales:販売、Inventory:在庫)計画や、部品調達計画などを全社レベルで最適化を図る。
従来、パナソニックEW社では、製品や部品のデータを、事業部や部門、拠点ごとに異なる形式で個別に管理していた。今後は、計画業務を現在の5割の工数で実施できるよう生産性の向上を目指す。
システムは、データ活用基盤「Fujitsu Data Intelligence PaaS」(富士通製)を使って構築した。データ統合時に既存システムの改修が不要だったため約2週間でデータを統合できたとしている。機械学習モデルの作成には、機械学習の自動化ツール「Fujitsu Kozuchi AutoML」を利用した。
企業/組織名 | パナソニック エレクトリックワークス社 |
業種 | 製造 |
地域 | 東京都港区(本社) |
課題 | 約20万品目ある製品の供給を、災害時や事業環境の変化時にも維持できるようにしたい |
解決の仕組み | サプライヤーや工場など国内外に3000以上ある拠点のデータを統合管理し、そのデータを元に需要を予測し計画に反映させる |
推進母体/体制 | パナソニック エレクトリックワークス社、富士通 |
活用しているデータ | 生産、販売、在庫、部品調達など20種の業務システムの別に、国内外にあるサプライヤーや工場など3000社以上に散在するデータ |
採用している製品/サービス/技術 | データ活用基盤「Fujitsu Data Intelligence PaaS」(富士通製)、機械学習の自動化ツール「Fujitsu Kozuchi AutoML」(同) |
稼働時期 | 2024年4月(本格運用の開始時期) |