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ゼネコンの美保テクノス、測量業務でのBIMモデル作成に3Dスキャナーを導入
鳥取県に本社を置くゼネコンの美保テクノスは、測量業務におけるBIM(Building Information Modeling:建物情報モデリング)データの作成に3Dスキャナーを導入した。業務負荷を軽減しながら、BIMモデルを施主への提案や説明などに活用するのが目的。3Dデータ作成用ソフトウェアを提供する米Matterport 日本法人が2024年4月8日に発表した。
美保テクノスは島根県を中心に事業展開するゼネコン。このほど、現況調査や測量業務においてBIM(Building Information Modeling:建物情報モデリング)データを作成するために、3D(3次元)スキャナーの活用を開始した(図1)。点群データから建物内部のBIMデータを作成し、施主への提案・説明や、解体時における記録・アーカイブに活用する。現場での調査時間も、従来の12時間が2時間にまで短縮できるという。
美保テクノスがBIMを活用しているのは、改装と解体の現場。改装では、施工前後の比較イメージを3Dモデルで作成し施主への説明に使用する(図2)。改修対象範囲の点群データを3Dスキャナーで測量し寸法を測定。取得したデータをBIMソフトウェアで3Dモデルにする。2次元の平面図に比べて、より効果的な提案ができるという。
一方の解体では、現況記録および解体作業時の足場配置の検討に3Dデータを活用する。例えば、米子市立啓成小学校の解体では、校舎内部全体を3Dスキャナーで撮影した。その際は、点群データから旧校舎のデジタルツインを作成し、文化財のデジタルアーカイブの観点から米子市に寄贈もした。
点群データは屋内向けスキャナー「Pro2/Pro3」(米Matterport製)で取得し、Matterportが提供するクラウド上で管理・共有する。点群データは3Dデータ処理ソフトウェア「ReCap」(米Autodesk製)を、モデル作成はBIMソフトウェア「Revit」(同)を、それぞれ用いる。
美保テクノスによれば、現況調査や測量業務では、担当者が現場に向かう移動コストが発生するほか、個人の技量による測定誤差も生じる。屋内向けの3Dスキャナーは短期間の講習で使え、測定業務を専門業者に依頼する必要がなくなると期待する。
企業/組織名 | 美保テクノス |
業種 | 製造 |
地域 | 鳥取県米子市(本社) |
課題 | 施主への提案・説明や解体時の記録・アーカイブとしてBIMデータを活用したいが、現況調査や測量業務に工数が掛かる |
解決の仕組み | 屋内用3Dスキャナーで建物の内部を撮影して取得した点群データからBIMモデルを作成する |
推進母体/体制 | 美保テクノス、米Matterport日本法人 |
活用しているデータ | 建物の点群データ |
採用している製品/サービス/技術 | 建物室内向け3Dスキャナー「Pro2/Pro3」(米Matterport製)、デジタルツインプラットフォーム(同)、3Dデータ処理ソフトウェア「ReCap」(米Autodesk製)、BIMソフトウェア「Revit」(同) |
稼働時期 | -- |