• UseCase
  • 製造

住友電装、カイゼン活動に向け作業員の動きをAIで可視化するシステムを海外拠点に導入

ANDG CO., LTD.
2024年7月3日

自動車用ワイヤーハーネスを製造する住友電装は、組み立てラインで働く作業員の動きをAI(人工知能)技術を使って可視化するシステムを海外拠点に導入する。作業ミスの軽減や生産性向上につながるカイゼン策を発見しやすくするのが目的だ。カンボジアの製造拠点に導入した結果を受け、他のグローバル拠点への導入を進める。画像解析システムを提供するOlloが2024年6月19日に発表した。

 住友電装が海外の製造拠点に導入するのは、現場作業員の動きをAI(人工知能)技術で分析する画像認識システム(図1)。標準動作との差分を分析することで、作業上の課題を可視化し、カイゼン策の発見・提案につなげる。カイゼンに対する経験が浅い作業員も課題を発見しやすくなり、スタッフ間のばらつきが押さえられると期待する。

図1:組み立てラインの作業員の動きを画像認識により分析し可視化する

 グローバル展開を前に、カンボジア・プノンペンにある製造拠点をパイロットとして2023年11月から導入してきた。半年間に14人の現地スタッフが画像認識システムの操作方法を身に付け、30超のラインでカイゼンに取り組んだ。結果、誰もがゲーム感覚で分析から改善の着眼までができ、改善速度が、ストップウォッチを使った分析と比べ、およそ4倍に高まったほか、担当者が持つ改善スキルの差によるばらつきがなくなったという。

 画像認識には、製造現場向けシステムを開発するスタートアップ企業のOlloが開発する画像認識ソフトウェア「Ollo Factory」を採用した。現場の作業を一定時間撮影しクラウドに送信して、現場の課題点をピンポイントに可視化できるとしている。

 住友電装 専務執行役員 生産技術本部長の丸山 哲二 氏は、「カイゼンは住友電装グループの“根幹”であり、日々継続させることが会社の発展につながる。そのカイゼンに必要な“分析”と“課題着眼”を誰でも簡単にできるため、グローバル全社の『改善活動活性化』につながると期待する」と話している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名住友電装
業種製造
地域三重県四日市市(本社)
課題海外拠点におけるカイゼン活動を継続させたいが、経験歴が浅い作業員も多く定着に時間が掛かったり、経験差によるバラツキがある
解決の仕組みラインでの作業状況を撮影したカメラの映像をAI技術で分析し課題点を可視化することで課題を発見しやすくする
推進母体/体制住友電装、Ollo
活用しているデータ現場の作業状況を撮影した動画データ
採用している製品/サービス/技術画像認識ソフトウェア「Ollo Factory」(Ollo製)
稼働時期2023年11月(カンボジア拠点での稼働開始時期)