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三重県伊賀市、上下水道の維持管理を対象に遠隔作業支援システムを導入

佐久間 太郎(DIGITAL X 編集部)
2024年7月10日

三重県伊賀市は、上下水道の維持管理に遠隔作業支援システムを導入した。スマートグラスを使い、現場の作業員と遠隔地にいる管理者の間で意志疎通を図る。問題発生時に早期に対応すると同時に、作業員の派遣や移動時間を削減する。2024年7月2日に発表した。

 三重県伊賀市が導入したのは、上下水道の修繕・維持管理を担う上下水道部において、現場作業員と管理者の意志疎通を図るための遠隔作業支援システム(図1)。現場の作業員が装着するスマートグラス経由で、管理者が現場の映像をリアルタイムに確認することで、トラブル対応の迅速化を図りながら、作業員の現地派遣と移動時間を削減するのが目的だ。

写真1:三重県伊賀市が導入した遠隔作業支援システムを使った、現場作業員の設備点検の様子(左)と事務所にいる管理者がPCの画面を見ながら指示を出している様子

 作業員はスマートグラスやスマートフォンを使って、現場の映像や音声を送信する。事務所などにいる管理者は、PCなどから映像を確認しながら作業員と音声でコミュニケーションを図り、破損箇所などを特定しながら対応策を指示する。

 既に経験の浅い職員単独でも、管理者の指示を仰ぎながらトラブル対応が可能になったという。上下水道部は、破損箇所と原因特定を早めることで、修繕材料の準備などの早期対応にも期待する。

 伊賀市内には32の下水道処理区がある。上下水道部は、市民からの通報を受けて、マンホールのガタつきの修繕や台風時の水トラブルなどに対応している。従来、現場との意思疎通には、通話や写真を利用してきたが、情報量が少なく、緊急度に応じた臨機応変な対応が難しかったという。

 遠隔作業支援システムには「LiveOn Wearable」(ジャパンメディアシステム製)を導入した。スマートグラスの「RealWear Navigator」(米RealWear製)などに専用アプリケーションをインストールして使用する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三重県伊賀市
業種公共
地域三重県伊賀市
課題上下水道のトラブルに早期に対応したいが、熟練者の数が限られている
解決の仕組みスマートグラスなどで撮影した現場の様子を管理者がリアルタイムに共有できる仕組みを導入し、状況に応じた対応策を指示する
推進母体/体制三重県伊賀市、ジャパンメディアシステム
活用しているデータ現場の映像データ
採用している製品/サービス/技術遠隔作業支援システム「LiveOn Wearable」(ジャパンメディアシステム製)
稼働時期--