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セイコーエプソン、製品設計におけるCAE作業へのAI適用を検証
2024年7月25日
セイコーエプソンは、製品設計におけるCAE(Computer Aided Engineering:コンピューター支援による設計)作業にAI(人工知能)技術を適用するための検証を開始した。エンジニアの習熟度による精度の差を抑えるとともに、シミュレーションの試行回数を減らし製品期間の短縮を図るのが狙い。AI技術を提供するギリアが2024年7月11日に発表した。
セイコーエプソンが検証するのは、製品設計におけるCAE(Computer Aided Engineering:コンピューター支援設計)作業へのAI(人工知能)技術の適用(図1)。CAEツールを使ったシミュレーションにおいて、技術者の習熟度により条件設定精度に差があることから、これを抑えるとともに、計算エラーなどに伴う試行回数を減らし設計期間を短縮するのが目的だ。
検証では、過去のデータから得られる複数のパターン分析や、技術者が設定する解析条件の評価にAI技術を適用することで、設計の初期段階から最適な条件を設定できるようにする。熟練者の知識や経験をAI技術で学習し、経験の浅い設計者でも条件を設定できるよう、設定値を提案する。
CAE作業は、プロジェクトの初期段階で実施し、後工程につなげるための作業や意思決定を下す工程だ。だが、その解析においては、膨大なデータの準備や専用ソフトウェアを使いこなすためのトレーニングが必要で、それぞれに時間と労力がかかっている。
CAE作業に適用する技術は、AI技術基盤を開発するギリアが提供する。セイコーエプソンとともに、CAE解析を軸とした設計・開発の高度化や自動設計の実現に取り組む。
さらには、物理シミュレーションにもAI技術を適用し、解析時間のさらなる短縮も図りたい考えだ。具体的には高度なシミュレーションを簡略したモデルの一種である「サロゲートモデル」の利用を想定している。
企業/組織名 | セイコーエプソン |
業種 | 製造 |
地域 | 長野県諏訪市(本社) |
課題 | CAE作業に取り組む技術者の熟練度によって条件設定に差が生じ、それによる計算エラーが発生し製品設計に時間がかかる。技術者の教育にもコストと時間がかかる |
解決の仕組み | 過去のパターンや熟練者の経験や勘をAI技術を使ってモデル化し、技術者の熟練度によらず適切な条件設定ができるようにする |
推進母体/体制 | セイコーエプソン、ギリア |
活用しているデータ | 製品の設計データなど |
採用している製品/サービス/技術 | CAEに適用するAI技術(ギリア製) |
稼働時期 | -- |