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電子部品のNGKエレクトロデバイス、製造プロセスの把握を目的に設計・製造データを一元管理

DIGITAL X 編集部
2024年8月5日

電子部品を製造するNGKエレクトロデバイスは、製造プロセス全体を把握し業務改善につなげるのを目的に、設計・製造部門で扱う製品データを一元管理する。そのためのPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)システムを導入した。導入を支援したキヤノンITソリューションズが2024年7月24日に発表した。

 NGKエレクトロデバイスは、山口県に本社を置く、セラミックパッケージなどの製品メーカー。このほど、事業環境の変化に対応できる生産体制を構築するために、設計・製造部門が扱う製品データの一元管理を開始した。そのためのPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)システムを導入。部門間の情報共有により製造プロセス全体を把握できるようにする。従来は、製品情報が業務アプリケーションやデータベース、個人のPCに散在し、担当者でなければ必要な情報にたどり着けなかった。

 まずは、水晶素子を保護するセラミック製容器「水晶パッケージ」を対象に利用する。2カ月間のPoC(Proof of Concept:概念実証)を経て、本番稼働させた。PLMでは、製品の品番に付帯する製品の基本情報や作業指示書、M-BOM(Manufacturing Bills of Materials:製造部品表)などを管理する。品番に関連情報を紐づけることで検索性を高め、関連情報から品番の逆検索も可能にした。

 製造プロセス全体の把握に向けては、BOP(Bill of Process:工程表)のチャートを作成し業務の流れを明確にする(図1)。各工程で使用する材料や中間品の関係を可視化し、変更が加わった際の変更点を比較する。例えば、製品加工を補助する治工具が破損した際の影響範囲の特定が容易になるという。

図1:NGKエレクトロデバイスが導入したPLMシステムでの工程比較のイメージ

 PLMシステムには「mcframe PLM」(ビジネスエンジニアリング製)を採用し、キヤノンITソリューションズの支援を受けながら導入した。パッケージの標準機能を生かすことでプロジェクト開始から9カ月で本番環境を構築し、費用も抑えられたとしている。

 今後は、PLMと外部システムの連携を図る。他の製品部門や購買部門に対してもPLMの導入拡大を見込んでいる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名NGKエレクトロデバイス
業種製造
地域山口県美祢市(本社)
課題事業環境の変化に耐えうる生産体制を構築したいが、製品情報が業務アプリケーションやデータベース、個人のPCなどに散在するなど、管理が属人化していた
解決の仕組み設計・製造データをPLMシステム上で管理し、製品情報の検索性を高めるとともに、工程表を作成・比較し変化への対応力を高める
推進母体/体制NGKエレクトロデバイス、キヤノンITソリューションズ
活用しているデータ製品基本情報、作業指示書、部品表など
採用している製品/サービス/技術PLMシステム「mcframe PLM」(ビジネスエンジニアリング製)
稼働時期--