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長谷工、設計の自動化に向けBIMデータをAI活用するための基盤を研究

DIGITAL X 編集部
2024年8月15日

長谷工コーポレーションは、設計業務の自動化を目標に、BIM(Building Information Modeling:建物情報モデリング)データを構造化しAI(人工知能)技術を適用するための基盤の研究開発に着手した。建築向けAI(人工知能)ソフトウェアを提供するテクトムと共同で取り組む。2024年7月31日に発表した。

 長谷工コーポレーションが研究開発に着手したのは、BIM(Building Information Modeling:建物情報モデリング)データに対しAI(人工知能)技術を適用するための基盤(図1)。マンション配棟の計画作成や、住戸面積・ユニット設計などに活用し、人手による設計作業の自動化を図るのが目的だ。設計者のデータ入力および図面チェックに要する時間の半減を目標にする。

図1:長谷工コーポレーションが研究開発を進めるBIMデータにAI技術を組み合わせたシステムの段階的な構築イメージ

 長谷工はこれまでBIMの活用に取り組んできた。2020年度には設計段階で、2021年度には施工段階においてBIM活用の環境を整備し「長谷工版BIM」を構築している。今回の取り組みは、同BIMを活用し、DX(デジタルトランスフォーメーション)をさらに進めるためものである。

 設計自動化システムの研究開発と機能実装は3段階で進める。第1段階では、BIMを統合したデータ基盤の構築に2024年内に取り組む。長谷工版BIMと外部の各種データを構造化して連携する(図2)。非構造データもAI技術でモデル変換など施し連携可能にする。類似する案件の設計図など、設計者が利用したいデータの検索性を高めながら、AI機能を利用できるようにする。

図2:長谷工版BIMの活用のイメージ

 第2段階では法令や建築基準、部材干渉などに自動品質チェックに着手。第3段階で自然言語を介した自動設計にまでAIの適用範囲を広げる。

 BIMの統合データベースと、AI機能を活用するための基盤は、建築設計向けAI「Tektome」(テクトム製)を採用した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名長谷工コーポレーション
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題設計業務の人手を減らしたい
解決の仕組み設計・施工BIMを構造化して外部データとともにデータベースに統合・連携し、AI技術による自動設計を実現する
推進母体/体制長谷工コーポレーション、テクトム
活用しているデータBIM、CADなどの建築設計データ
採用している製品/サービス/技術設計・施工向け3次元BIM「長谷工版BIM」(長谷工製)、建築設計向けAI基盤「Tektome」(テクトム製)
稼働時期2024年(BIM統合基盤の構築開始時期)