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コーセー、若年層に向けた新直営店でAIによるギフトカード作成やモバイルオーダーを提供
コーセーは2024年8月30日、若年層をコアターゲットにする直営店を東京・渋谷にオープンさせた。生成AI(人工知能)技術を使ったギフトカードの作成や、モバイルオーダーによる店頭受け取りなどデジタル技術を使ったサービスを提供し、若年層への新たな顧客体験の提供に取り組む。2024年8月7日に発表した。
コーセーが東京・渋谷に2024年8月30日に開設した「Maison KOSÉハラカド」は“デジタルネイティブ世代”と呼ばれる若年層を主要顧客に位置付けた新形態の店舗(写真1)。モノの所有よりも店頭での購買体験や各種サービス自体を楽しむ“リキッド消費”スタイルに対応した顧客体験を提供できる店舗として運営し、新たな顧客接点を創出するのが目的だ。
新たな顧客体験として提供するサービスの1つが「GIFT FACTORY(ギフト・ファクトリー)」。ラッピングのスペシャリストが、顧客が選択した包装紙やリボンを使って目の前でギフトにする商品をラッピングする。メッセージカードに、ギフトを贈る相手の名前から連想されるイラストを生成AI技術で描いたり、一部商品には刻印したりするサービスも用意する。
「EXPRESS COUNTER(エクスプレス・カウンター)」では、モバイルオーダーで注文・決済した商品を、接客やレジ対応なしに受け取れる。「COSME LOCKER(コスメ・ロッカー)」も用意し、ラッピング依頼した商品やモバイルオーダーした商品を営業時間外でも受け取れるようにする。店頭で購入した商品を一時的に預けるためにも利用できる。解錠にはQRコードをメールで送信する。
EXPRESS COUNTERやCOSME LOCKERは、OMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)を意識したサービスで、サービス利用で取得した顧客データを分析しニーズや行動パターンを把握することで顧客体験の向上を図る。
他にも、「COSME BUVETTE(コスメ・ブヴェット)」や「BLOW BAR(ブロー バー)」といったサービスも提供する。COSME BUVETTEは、スキンケアやメイクなどのための化粧品テスター(試供品)とドレッサー(化粧台)を時間貸しするサービス。BLOW BARは、プロのスタイリストによるシャンプー&ブローのサービスである。
Maison KOSÉハラカドのオープンにあたっては、アビームコンサルティングの支援を受けた。デジタル技術を使った要件定義やシステム開発、受け入れテストのほか、想定来店シーンごとの店舗スタッフの作業手順の設計やマニュアルの作成などだ。各サービスの設計では、サービスの利用前・利用時・利用後の3段階で、顧客がどのように行動するかを定義し、サービスを実現するためのシステム要件を整理したという。
コーセーは、中長期ビジョン「VISION2026」において「デジタルを活用したパーソナルな顧客体験の追求」を掲げ、新たな顧客層との接点を通じた価値創出に取り組んでいる。
これまでに、2019年11月にオンラインサイト「Maison KOSÉ」を立ち上げた後、同年12月に初の直営店「Maison KOSÉ銀座(2022年8月に1階フロアを全面リニューアル)」を、2020年12月に「Maison KOSÉ表参道(2024年7月31日に閉店)」、2024年6月7日(米国時間)には米ロサンゼルスに全米1号店を、それぞれオープンさせている。
企業/組織名 | コーセー |
業種 | 製造 |
地域 | 東京都中央区(本社) |
課題 | “デジタルネイティブ世代”と呼ばれる若年層が持つ新たな消費スタイルに対応した顧客接点を創出したい |
解決の仕組み | デジタル技術を利用し、化粧品の購入だけでなく、消費に関するサービスを提供する店舗を展開しながら、店頭とオンラインでの顧客データを取得・分析する |
推進母体/体制 | コーセー、アビームコンサルティング |
活用しているデータ | 店舗へ来店データやオンラインでの購買データなど |
採用している製品/サービス/技術 | -- |
稼働時期 | 2024年8月30日(店舗開設時期) |