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住友生命、営業担当者の活動を生成AI搭載のチャットボットで支援

DIGITAL X 編集部
2024年10月4日

住友生命保険は、営業活動の支援するために生成AI(人工知能)によるチャットボットを備える顧客情報管理システムを開発した。営業時に必要な顧客に関する情報を営業担当者に提供し、営業力を高めるのが目的だ。2024年11月25日から全国1500拠点で利用を開始する。2024年9月11日に発表した。

 住友生命保険が開発したのは、営業担当者の活動を支援するための顧客情報管理システム(図1)。生成AI(人工知能)技術を組み込んだチャットボットを搭載し、営業時に必要になる情報を適切に届けることで、個々の顧客に適した営業活動につなげるのが目的だ。全国1500拠点の全営業担当者3万人が2024年11月25日から利用する。

図1:住友生命保険が開発した顧客情報管理システムの画面例。健康に関する雑談ネタを指定すれば(左)、顧客情報から適切な内容を提案する

 新システムでは、営業担当者それぞれのダッシュボードを用意し、日々の営業活動時間や商談場所、顧客の反応などを表示する。加えて、営業活動で得たデータから、顧客対応のタイミングを通知したり、対応すべきアクションを提示したりする。

 商談時の雑談の話題のヒントや礼状の文例などを生成AIで作成し、チャットボットを介して提供する。礼状の文例は、画面上に表示される2次元バーコードをスマートフォンで読み取れば、テキストデータとして利用できる(図2)。

図2:顧客情報管理システムから初回挨拶に関する礼状文面を指定し(左)、文例とQRコードが表示された例

 システムに入力された営業活動は上司も確認し、活動履歴を担当者の指導に利用するなどで、全体としての育成指導レベルを高めたい考えだ。今後は、営業活動データから、顧客の理解が得られやすい資料の作成や、顧客満足度を高められるアプローチ手法の提示などの機能追加を検討する。

 新システムは、AIソフトウェアの開発環境「exaBase Studio」(エクサウィザーズ製)を使って開発した。課題の整理とシステム構成・設計はエクサウィザーズのコンサルタントが、AI技術を使ったUX(User eXperience)の設計は同社のUI(User Interface)/UXデザイナーが、それぞれ担当した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名住友生命保険
業種金融・保険
地域大阪市中央区(本社)
課題顧客それぞれの状況に応じた営業活動を展開したい
解決の仕組み顧客情報や営業活動履歴を元に、営業担当者が対応すべきアクションや雑談などのヒントを提供し、営業活動を水準を高める
推進母体/体制住友生命保険、エクサウィザーズ
活用しているデータ顧客情報、営業活動の履歴データなど
採用している製品/サービス/技術AIソフトウェアの開発環境「exaBase Studio」(エクサウィザーズ製)
稼働時期2024年11月25日(全国1500拠点での利用開始時期)