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オンワード樫山、商品データを素材メーカーなどと企画段階からPLMシステムで共有

DIGITAL X 編集部
2024年10月8日

オンワード樫山は、商品データを企画段階から素材メーカーなどと共有するためのPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)システムを全ブランドに導入した。企画・生産情報をサプライチェーン上で共有し商品開発力を高めるのが目的だ。PLMシステムを提供する米Centric Softwareの日本法人が2024年9月18日に発表した。

 アパレルメーカーのオンワード樫山は2024年6月、全ブランドを対象にPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)システムの本格稼働を開始した。商品情報を素材メーカーや付属品メーカーなど企画段階から量産発注まで共有し、商品開発における競争力を高める。2024年9月時点で約60社の取引先が連携パートナーとして、商品の材料や仕様、コストなどを共有している。

 アパレル業界では、生活者のライフスタイルやファッションのトレンドに合わせた商品を企画・提供する必要性が高まっている。しかしオンワード樫山が利用してきた購買や生産管理のシステムでは、そうした要件に対応できなかったという。特に商品企画工程においては、システムの利用が限定的で、データも属人的な管理に留まっていた。

 これらの課題を解決するため、PLMによって企画・生産・物流の各システムを統合するプロジェクトを全社で推進してきた。第1段階として2021年秋から特定ブランドを対象に導入を始め、9カ月で試作品の作成工程にまで適用した。その後、システム利用者の習熟度の向上とシステムの安定稼働を確認し第2段階へと進め、このほど全ブランドを対象に本稼働させた。

 今後は、取引先を包めたサプライチェーン全体で原材料のトレーサビリティを確保するなどの取り組みを推進していく。取締役常務執行役員の樋口 剛宏氏 は「サプライチェーンにおけるトレーサビリティの深化とモノづくりの可視化を実現していきたい」と語る。

 PLMシステムには「Centric PLM」(米Centric Software製)を採用した。グローバルなファッションブランドへの採用実績や、デモ段階から現場の利用者の必要な機能への同意が得られたことなどを採用理由に挙げている。

 オンワードグループは、中期経営ビジョン「ONWARD VISION 2030」においてDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略やサステナブル経営戦略を掲げる。2030年度を見据えた事業戦略として、ファッション領域におけるブランド・商品・流通戦略と、OMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)などを推進している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名オンワード樫山
業種製造
地域東京都中央区(本社)
課題生活者のライフスタイルやファッショントレンドに合致した商品を開発・投入すると共に、素材のトレーサビリティを実現したい
解決の仕組み企画・生産・物流の各システムをPLMシステムで統合すると同時に、社外の素材メーカーや付属品メーカーらとデータを共有する
推進母体/体制オンワード樫山、米Centric Software日本法人
活用しているデータ材料や仕様、コストなどのデータ
採用している製品/サービス/技術PLMシステム「Centric PLM」(米Centric Software製)
稼働時期2024年6月(全ブランドへの本稼適用開始時期)