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西武鉄道、車両設備の保守・管理業務の社内対応に生成AI使うチャットボットを導入

ANDG CO., LTD.
2024年10月11日

西武鉄道は、車両に関わる設備の保守・管理業務における社内の問い合わせ対応に生成AI技術を使ったチャットボットを導入した。問い合わせ対応にかかる時間を削減し業務効率を高める。生成AI関連サービスを提供したエクサウィザーズが2024年9月24日に発表した。

 西武鉄道が生成AI(人工知能)技術を使ったチャットボットを導入したのは、車両部や建設部など6つの部門。車両に関する設備の保守・管理に関する社内での問い合わせ業務に適用し、自然言語による応答でマニュアルなどに基づく対応策を引き出せるようにする。

 そのために自社内の規定やマニュアルなどの独自データをRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を使って、大規模言語モデルの「GPT-4o」(米OpenAI製)との連携を図る。社内ではチャットボットの利用履歴も利用し、チャットボットの利用による業務削減時間なども把握する。

 チャットボットは、AI技術の利用基盤「exaBase 生成AI」(エクサウィザーズ製)を使って実現した。エクサウィザーズの子会社のExa Enterprise AIが導入を支援した。これまでも西武鉄道は、大規模言語モデル「GPT-3.5」(米OpenAI製)を全社導入していた。ただ回答精度が不十分で、社員の利用意欲が高まらなかったという。

 さらに、より高い回答精度を求める用途に向けては、AIソフトウェアの開発環境「exaBase Studio」(エクサウィザーズ製)を導入し、PoC(Proof of Concept:概念実証)に取り組んでいる。西武鉄道としては、他のAIモデルや社内外のサービス、データなどとの連携を図り、新たなAIサービスの構築を目指す。

 西武グループは「中期経営計画(2024~2026 年度)」においてデジタル経営を挙げている。グループの中核会社である西武鉄道もデジタル経営への取り組みを進めており、生成AI技術の採用も、その一環である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名西武鉄道
業種交通
地域埼玉県所沢市(本社)
課題鉄道車両に関する設備の保守・管理業務において、規定やマニュアルに対する問い合わせにかかる時間が業務効率を下げている
解決の仕組み自然言語ベースで規定やマニュアルにある情報を引き出せるように生成AI技術を使ったチャットボットを導入する
推進母体/体制西武鉄道、エクサウィザーズ、Exa Enterprise AI
活用しているデータ保守・管理に関わる規定やマニュアルなどの情報
採用している製品/サービス/技術AI技術の利用基盤「exaBase 生成AI」、AIソフトウェアの開発環境「exaBase Studio」(いずれもエクサウィザーズ製)
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