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旭鉄工、社内データの経営/現場での活用を促すために生成AI連携するビジネスチャットを導入

ANDG CO., LTD.
2024年10月15日

自動車部品メーカーの旭鉄工は、社内のデータ活用基盤にあるデータを経営層や現場で活用するのを目的に、生成AI(人工知能)技術と連携するビジネスチャットを導入した。生成AIを使ってテキスト情報を要約したりグラフから傾向を読み取ったりした結果をビジネスチャットで共有し、経営や現場の意思決定に利用する。システムを提供するウイングアーク1stが2024年9月12日に発表した。

 自動車部品メーカーの旭鉄工は2020年から、生産管理システムや製造設備のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データなどを統合するデータ活用基盤「旭DXエンジン」を構築を進めてきた。2021年にはDX推進室を立ち上げ、各部署が自主的な改善活動に取り組むことを推進し、ペーパレス化により年間約800万円のコスト削減を実現している。

 このほど、同エンジンに生成AI(人工知能)技術と連携するビジネスチャットを追加導入した(図1)。個人の裁量による判断のばらつきを防止し、経営層や製造部門での意思決定につなげるのが目的だ。従業員自らがデータを活用して業務を改善する意識の醸成や迅速な行動につながる体制作りも推進する。

図1:旭鉄工は既存のデータ基盤「旭DXエンジン」に生成AIと連携するビジネスチャットを組み合わせ現場でのデータ活用を加速する

 生成AI技術を適用するのは主に、テキストデータなどの分析・要約と、旭DXエンジンのダッシュボード情報の分析・解釈である。前者では、ビジネスチャットの内容を要約し、傾向状況から経営層にアクションプランを配信したり、製造部門における過去のトラブル対応情報から適切な対応策をチャットで問い合わせたりできるようにする(図2)。

図2:トラブル対応における生成AIの活用イメージ

 後者では、経営会議用などの月次会計データの画像を解釈し経営判断のための客観的な資料を提示したり、表やグラフの分析結果を製造部門のライン長に通知し状況把握を早め現場で判断しやすい環境を整備したりする。

 ビジネスチャットには「dejiren(デジレン)」(ウイングアーク1st製)を採用した。旭DXエンジンはデータマート「Dr.Sum(ドクターサム)」(同)で構築し、可視化・分析にはBIツール「MotionBorad」(同)と帳票管理ソフトウェア「i-Reporter」(シムトップス製)を使っている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名旭鉄工
業種製造
地域愛知県碧南市(本社)
課題自社のデータ基盤「旭DXエンジン」に収集したデータの活用を経営や製造現場の意思決定にまで広げたい
解決の仕組みビジネスチャットでのやり取りや、データ活用のためのダッシュボードの内容を生成AI技術で要約・分析し、意思決定に役立つ情報を美人接すチャットで現場に伝える
推進母体/体制旭鉄工、ウイングアーク1st
活用しているデータ生産管理・会計などの業務システムや、製造現場のIoTデータなど
採用している製品/サービス/技術ビジネスチャット「dejiren」、データマート「Dr.Sum」、BIツール「MotionBoard」(いずれもウイングアーク1st製)、帳票管理ソフトウェア「i-Reporter」(シムトップス製)
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