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独ロールス・ロイス・パワーシステムズ、保守事業拡大に向け保守要員や交換部品を一元管理し配置・作業を最適化
英ロールス・ロイス傘下でディーゼルエンジンなどを手掛ける独ロールス・ロイス・パワーシステムズは、保守事業の拡大を目的に、新しいフィールドサービス管理(FSM:Field Service Management)システムを稼働させた。保守要員や保守部品を一元管理し、客先への保守サービスの提供体制の最適化を図るのが目的だ。システムを提供するスウェーデンIFSの日本法人が2024年10月16日に発表した。
独ロールス・ロイス・パワーシステムズは、英ロールス・ロイス傘下で、発電や船舶、建設機械などに向けたディーゼルエンジンやガスシステムなどを製造するパワーシステムズ部門である。
このほど、「mtu」ブランドで展開するディーゼルエンジンに向けた保守サービスを対象に、新しいフィールドサービス管理(FSM:Field Service Management)システムを導入した。保守サービスを提供するフィールドエンジニアや交換部品などを一元管理するとともに、保守サービス需要を予測し、実施計画の最適化を図ることで、初期修理率を高め、長期のメンテナンス契約を拡大するのが目的だ(写真1)。
同社のグローバルカスタマーサービス担当バイスプレジデントのジョーン・リンドステッド(Joern Lindstaedt)氏は、「リアルタイムな洞察とダイナミックなスケジューリング機能により、サービス提供と顧客満足を向上させ、顧客が望む効率性と持続可能性という目標を支援したい」と話す。
新システムでは、フィールドエンジニアや交換部品の在庫などを一元管理すると同時に、過去のサービス実績や機器の故障履歴などを元に、AI(人工知能)技術を使って将来的な需要を予測することで、保守サービスの提供におけるエンジニアの配置や作業を割り当てる。
作業計画の立案では、条件を変更したシミュレーションにより複数のシナリオを作成する。具体的には、必要なエンジニアや部品などのリソース割り当てや、メンテナンス計画の最適化、需要の変動に応じて提供できるサービスの上限を確保可能な計画の作成などだ。起こり得る状況への対応力を向上させ、顧客と結んでいるSLA(Service Level Agreement:サービスレベル契約)との整合性を高めることで、長期的な契約やスペアパーツでの売上向上につなげたい考えだ。
FMSシステムには、スウェーデンのIFSのERP(Enterprise Resource Management)システム「IFS Cloud」が持つFMS機能を利用する。シナリオ作成のシミュレーションには、最適化モジュール「What-If Scenario Explorer(WISE)」を用いている。
企業/組織名 | 独ロールス・ロイス・パワーシステムズ(英ロールス・ロイスのパワーシステムズ部門) |
業種 | 製造 |
地域 | 独バーデン=ヴュルテンベルク州フリードリヒスハーフェン(本社) |
課題 | 保守サービスにおける初期修理率を高め、長期的なメンテナンスの契約やパーツ交換などアフターサービス事業を拡大したい |
解決の仕組み | フィールドサービス管理システムを使ってエンジニアや交換部品などのリソースを一元管理するとともに、保守サービスの需要を予測し、サービス提供の最適化を図る |
推進母体/体制 | 独ロールス・ロイス・パワーシステムズ、スウェーデンIFS |
活用しているデータ | 過去のサービス実績、故障履歴、エンジニアの配置、保守部品の在庫など |
採用している製品/サービス/技術 | FMSシステム「IFS Cloud」(スウェーデンIFS製)が持つFMS機能と最適化モジュール「WISE(What-If Scenario Explorer)」 |
稼働時期 | -- |