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ダイキン工業、夏の繁忙期のコンタクトセンターの応答率をAI自動応答で3%向上
ダイキン工業は、エアコンの修理受付やトラブル対応を受け付けるコンタクトセンターにおいて2024年夏の繁忙期に、顧客対応にAI(人工知能)技術を使ったボットを利用することで応答率を3%高められたという。ボットシステムを開発したトゥモロー・ネットが2024年10月29日に発表した。
ダイキン工業のコンタクトセンターでは、主力製品のエアコンに関する修理受付やトラブル対応などの問い合わせが年間180万件あり、特に夏期に入る6月ごろから8月に集中する。同センターでは2023年6月から、顧客からの受付をAI(人工知能)技術を使って自動化するボットシステムを運用している(図1)。繁忙期の人材確保とともに、応答率を高めCX(Customer Experience:顧客体験)の向上につなげるのが目的。
新ボットシステムによる対応完了率は2024年には96%に達し、「夏季にはボイスボットにより約3万件の問い合わせに対応し、コンタクトセンターのつながりやすさ(応答率)を3%高められた」(サービス本部 西日本コンタクトセンター 室長の久田 真一 氏)という。
修理の受付時には、顧客の住所や氏名に加え、故障箇所や故障の状態をヒアリングする必要がある。だが製品の状態などを正確に伝えるのが難しい顧客も少なくない。そこで、ボイスボットとチャットボットを併用し、顧客の負担を減らすとともに回答精度を高められるようにした。
ボットシステムではまず、顧客からの通話をボイスボットで受け付ける(図1)。必要に応じてチャットボットに切り替えるためのURLをSMS(ショートメッセージサービス)で送信。顧客は、受信したURLからチャット画面にアクセスし、修理の申し込みなどを進める。顧客によるトラブル内容の説明が難しいケースや、該当する選択肢が思いつかない場合は、ボタン形式で回答を誘導する。
ボットの回答シナリオでは、AI技術を使っても音声から複数の情報を聞き取るのは難しいことから、事前のアナウンスなどを工夫した。1回の発話で1つの情報を聴取することや、実際にどう回答すれば良いかを事前に伝えるなどだ。ボイスボットを初めて利用する顧客や、高齢者にも負担をかけないシナリオを心がけたという。
ボットシステムには「CAT.AI CX-Bot」(トゥモロー・ネット製)を採用した。会話の速度や自然さが、実際の人と会話しているような点を評価したとする。今後は、「CAT.AI CX-Botの対応範囲を拡大し、CX向上に取り組む」(久田氏)考えだ。
企業/組織名 | ダイキン工業 |
業種 | 製造 |
地域 | 大阪市北区(本社) |
課題 | エアコンに対する問い合わせが増える繁忙期にコンタクトセンターのリソースを確保するとともに、応答率を高めCX(Customer Experience:顧客体験)を高めたい |
解決の仕組み | AI技術を使ったボットシステムを使って問い合わせの受付を自動化し、必要な情報を取得する |
推進母体/体制 | ダイキン工業、トゥモロー・ネット |
活用しているデータ | 顧客からの修理受付などに関する通話データやチャットによるテキストデータなど |
採用している製品/サービス/技術 | コンタクトセンター向けAI自動化システム「CAT.AI CX-Bot」(トゥモロー・ネット製) |
稼働時期 | 2023年6月 |