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独プーマ、ネット事業拡大に備え米国内の新物流拠点にピッキングロボを導入

DIGITAL X 編集部
2024年12月6日

スポーツアパレルの独プーマは、米アリゾナ州フェニックスに開設した新物流センターにピッキングロボットを導入した。EC(電子商取引)需要の高まりに応えられる体制を整備し、顧客に商品を早期に届けるのが目的だ。システムを開発したノルウェーAutoStoreの日本法人が2024年11月22日に発表した。

 スポーツアパレルの独プーマは、米国内のEC(電子商取引)需要の高まりに向けてアリゾナ州フェニックスに新物流センターを稼働させた。注文の処理精度と処理件数を高めるために、ピッキングのためのロボットシステムも導入した(写真1)。同新システムにより注文の処理精度は99%に高まり、1日に処理できる注文件数は20万件に増えたという。

写真1:独プーマが米国の新物流センターで稼働させたピッキンロボ

 プーマ北米支社長のボブ・フィリオン(Bob Philion)氏は、「プーマブランドの信念は“Forever Faster”だ。これには商品を素早く顧客の手元に届けるという意味も含まれる。新システムの導入で、これまでで最も速いスピードで商品を届ける仕組みを実現できた」と話す。

 ピッキングロボットは、格子状に組んだアルミニウム製のグリッドに縦横に積み重ねられた商品コンテナの中から、注文を受けた商品が入っているコンテナをを特定し、梱包作業者が待つ作業台まで運搬する。

 これにより、受注から配送までのリードタイムを2週間から当日まで短縮できたとする。コンテナの収納密度も高く、ピーク時の倉庫容量が10倍に拡大したほか、倉庫管理にかかるエネルギーコストを最大85%削減できたという。

 ピッキングロボットは、ノルウェーのAutoStore製で、システムインテグレータの米Bastian Solutionsの協力を得て導入した。

 AutoStoreによれば、ECの売上高は2027年までに8兆ドルを超えると予測されている。商品を販売する企業には、注文の処理プロセスの効率化と正確性が求められている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名独プーマ
業種製造
地域米アリゾナ州フェニックス(新物流センター)
課題EC需要が拡大するなかでも、顧客に商品を素早く正確に届けたい
解決の仕組みピッキングロボットを導入し倉庫の収納能力を確保するとともに、作業効率を高める
推進母体/体制独プーマ、ノルウェーAutoStore、米BastianSolutions
活用しているデータ商品の受注データや在庫データなど
採用している製品/サービス/技術ピッキングロボット(ノルウェーAutoStore製)
稼働時期--