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自動車部品の日本プラスト、調達原価削減に向け見積書からコスト情報をAIで抜き出し分析

ANDG CO., LTD.
2024年12月10日

自動車部品メーカーの日本プラストは、見積書からコスト関連情報をAI(人工知能)技術で抽出し、過去の類似案件や実績と比較するためのシステムを稼働させた。見積もり業務を軽減するとともに適正価格で調達するのが目的だ。システムを開発したA1A(エー・ワン・エー)が2024年11月28日に発表した。

 日本プラストは、ハンドルやエアバッグ、内外装の樹脂備品などを製造する自動車部品メーカー。このほど、見積書からコスト情報を抜き出し、過去の類似案件や実績と比較するためのシステムを導入した。原価低減策の検討に時間を割き、調達コストの最適化を図るのが目的だ。

 新システムでは、サプライヤーからの見積書をアップロードすれば、記載されている価格や原価などのコスト関連情報をAI(人工知能)技術が抽出し、データベース化する(図1)。調達・購買担当者は、類似部品での過去実績などと比較しながら、コストの見直しや価格の適正化を検討する。

図1:見積書からのコスト関連情報をAI技術で抽出し、過去の実績との比較などで調達コストの最適化を図る

 日本プラストは中期経営計画において、経営基盤の強化による企業価値の最大化を目指している。調達・購買業務では、データ分析により、新たな原価低減機会を発掘し組織全体としてコストの見直しに取り組むとした。新システム導入は、その一環。特に、自動車メーカーからの自社製品に対する短期の見積もり依頼など、スケジュールに余裕がない状況下で、調達価格の妥当性判断の精度を高めたい考えだ。

 従来、調達・購買担当者は業務の約40〜60%を見積もりに割いていた。うち半分は、見積書からコスト情報を抜き出して転記したり、比較できるように整理したりする作業に要していた。また人材の流動性が高まるにつれ、調達・購買に関わる情報の属人化や経験差によるばらつきが生じていた。

 新システムには、A1A(エー・ワン・エー)が提供する調達データ管理基盤「UPCYCLE」を導入した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本プラスト
業種製造
地域静岡県富士宮市(本社)
課題調達・購買業務における原価低減機会をデータ分析によって発掘し、組織全体としてコストを見直したい
解決の仕組みサプライヤーからの見積書に記載されているコスト関連情報をAI技術で抽出し、過去の類似案件や実績などと比較することで、短期間に調達価格の妥当性を高める
推進母体/体制日本プラスト、A1A
採用している製品/サービス/技術調達データ管理基盤「UPCYCLE」(A1A製)
活用しているデータサプライヤーからの見積書からAI技術で抽出した価格や原価など
稼働時期−−