• UseCase
  • 物流

センコー、住宅建材の共同配送における検品ミス防止にAI-OCRを導入

ANDG CO., LTD.
2024年12月5日

物流事業会社のセンコーは、住宅建材の共同物流倉庫にAI-OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)システムを導入した。出荷時の仕分け業務などに適用し、目視に頼ることで起こる作業ミスを減らしサービス品質を高めるのが目的だ。システムを開発したフューチャーアーキテクトが2024年10月31日に発表した。

 センコーグループで物流事業を手掛けるセンコーが、住宅・建材の共同物流倉庫における出荷業務を対象にAI-OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)システムを4拠点に導入した(図1)。検品時に紙の品番リストを目視する照合作業に利用し、仕分けやラベル貼付、類似品番の取り違いといったミスを防止しサービス品質の向上を図るのが目的だ。

図1:センコーが導入したAI-OCRシステムによる出荷業務の変化

 AI-OCRシステムの導入は、共同配送事業拡大の一環。センコーは、複数の住宅メーカーや建材メーカーの資材や商品を一括で調達・配送する共同化に取り組んでいる。そのため物流倉庫では、個人住宅向け資材を集約しておき、必要に応じて荷物を分割する邸別(ていべつ)仕分けと配送を手掛けている。

 システムはまず、埼玉主管支店(埼玉県戸田市)に2024年7月に導入した。仕分け結果を人が確認する作業が不要になったことから、2024年10月以降、厚木ロジスティクスセンター(神奈川県厚木市)や名古屋主管支店(名古屋市港区)などを加えた計5拠点への導入を進めている。

 検品担当者は、スマートフォンを使って荷物の外箱を撮影する。画像からメーカー名や型番などをAI(人工知能)技術で読み取り、該当する資材の品番や個数と突合する。突合結果は作業記録として保存し、出荷用ラベルを自動で印刷する。これまでは外箱記載の品番を読み上げていたほか、ラベルも、まとめて印字してから照合・貼付していた。

 AI-OCRの利用により、製品にかかわらず邸別仕分けが可能になり、作業員が対応できる製品領域も広がったという。作業員が対応できる範囲は、製品知識により制限されるためで、そこを画像認識により補っている。

 新システムには、AI-OCRサービス「Future EdgeAI」(フューチャーアーキテクト製)を導入している。

AI-OCRに関する特集号を公開中

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名センコー
業種物流
地域埼玉県戸田市(埼玉主管支店)、神奈川県厚木市(厚木ロジスティクスセンター)、名古屋市港区(名古屋主管支店)など
課題複数の住宅/建材メーカーを対象にした共同配送事業を拡大するには、目視による仕分けでは、仕分けやラベル貼付、類似品番の取り違いといったミスを防ぎ切れない
解決の仕組み外箱に記載されている資材に関する情報をスマートフォンで撮影し、画像をAI-OCR技術で読み取ることで、突合や出荷ラベル印刷などを自動化する
推進母体/体制センコー、フューチャーアーキテクト
活用しているデータ資材のメーカー名、型番、商品名など
採用している製品/サービス/技術AI-OCRサービス「Future EdgeAI」(フューチャーアーキテクト製)
稼働時期2024年7月(埼玉県戸田市の埼玉主管支店への導入時期)