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ヤマハ、データに基づく意思決定の推進に向け全社データ活用基盤を導入
ヤマハが、データに基づく意思決定と行動変革を全社で推進するために、データ活用基盤を導入・運用している。DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の一環として、全社員が同じデータと指標に基づいて判断し行動できるようにするのが目的だ。データ活用基盤を提供する米Domoの日本法人が2024年12月2日に発表した。
ヤマハは、全社員がデータに基づく意思決定を下せるよう、全社共有のデータ活用基盤を導入・運用している。2019年に設置したDX戦略委員会が決定した「意思決定・行動のためのデータ戦略」実行の一環。音楽市場のデジタル化が進む中、現在のビジネス・事業環境を正しく理解するためには、社員個々人が異なるデータを用いるのではなく、同じデータと指標が必要と判断した。
データ戦略の実行に向けては、情報システム部 DX戦略グループが社内での「データによる認識合わせ」を実施した。具体的には、(1)意思決定に必要なデータの定義・統合、(2)意思決定までの思考プロセスで利用するダッシュボードの構築、(3)意思決定の最適化の3つである。
データの定義・統合では、自社データに加えて、WebやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)から得られる社外データも統合した。市場環境の変化を捉えるためのデータの重要度が高まっているためだ。統合したデータは、市場や競合、財務状況、非財務状況などの把握といった目的別に体系化し、意思決定への利用を容易にしている。
ダッシュボードの構築では、思考のための3つのプロセスに合わせて、視点などを切り替えられるようにした。プロセスは、(1)ロジカルシンキング(論理的ブレークダウン)、(2)ラテラルシンキング(結果に至るプロセスを多角的に考える)、(3)クリティカルシンキング(前提条件や状況を疑う)に分け、ロジカルシンキングではフィルター条件の絞り込みやブレークダウンを、ラテラルシンキングではグラフやテーブルを用いたデータ比較などを、それぞれ容易にしている。
意思決定の最適化では、BI(Business Intelligence)ツールを使ってデータを分析する対象と、AI(人工知能)技術を利用する対象とを区分した。BIを利用するのは、データの可視化や統合により判断が容易になるもの。AI技術を利用するのは、膨大なデータの収集や複雑なデータ加工を伴うもの、要約した情報が必要な場合などとしている。
情報システム部DX戦略グループでは、データによる認識合わせに加え、DX人材育成に向けたタレント・組織マネジメントのための「DX教育による視点合わせ」と、データ文化を醸成するための「組織を超えて意識を合わせるコミュニティ活動」も推進している(図1)。これら3つの施策を連動させることで、データに基づく意思決定の仕組みの定着化を図っているという。
データ活用基盤には「Domo」(米Domo製)を採用した。米Domoは、データ活用を推進する専門人材として「データアンバサダー」の配置を提唱している。データ活用に向けて経営者と事業部門、IT部門を橋渡しするのが役割だ。DX戦略グループの濱崎 司 氏は、Domoの「データアンバサダー賞」を受賞している。
企業/組織名 | ヤマハ |
業種 | 製造 |
地域 | 静岡県浜松市(本社) |
課題 | デジタル化に伴う市場の変化を正しく把握するために、全社で共通のデータと指標による意思決定をくだしたい |
解決の仕組み | 社内外のデータを統合管理するための全社データ利用基盤を構築し、全社員が利用できる環境を整備する |
推進母体/体制 | ヤマハ、米Domo日本法人 |
活用しているデータ | 自社データ、WebやSNSから得られる社外データ |
採用している製品/サービス/技術 | データ利用基盤「Domo」(米Domo製) |
稼働時期 | -- |