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三菱地所、エリア情報を提供するチャットボットに生成AIを利用

DIGITAL X 編集部
2025年1月22日

三菱地所は、東京・丸の内の周辺情報を提供するチャットボットを生成AI(人工知能)技術を使ってNTTデータと共に開発し、サービス提供を開始した。エリア情報を管理するデータ連携基盤などが持つ情報をエリア内の就業者や観光客らに提供する。2025年1月8日に発表した。

 三菱地所とNTTデータが開発・運用する「AIコンシェルジュ」は、東京の大手町と丸の内、有楽町(大丸有)に関する各種情報を提供するチャットボット(図1)。大丸有のエリア情報をリアルタイムに提供することで、同地域の就業者や観光客らの回遊性を高めるのが目的だ。大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(大丸有協議会)が開発を主導する地図アプリ「Oh MY Map!」に搭載する。

図1:地図アプリ「Oh MY Map!」の一機能として提供する「AIコンシェルジュ」の画面イメージ

 AIコンシェルジュが提供する情報は、大丸有エリアで催されるイベント情報や飲食店情報など。いずれも大丸有協議会が運営するデータ連携基盤(都市OS)や関連する各種Webサイトから収集・統合した情報である。

 これら情報をチャットボットで提供するためにLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)とRAG(Retrieval-Augment Generation:検索拡張生成)を使用している(図2)。チャットボット利用者の質問に対し、必要なデータをリアルタイムに検索し、より具体的で実用的な回答を提供できるようにした。

図2:AIコンシェルジュは生成Ai技術を使い都市OSが管理するデータを検索・提供する

 LLMには、米Anthropic製の「Claude 3.5 Sonnet」を、RAGには「NaiveRAG」と、より高度な「Advanced RAG」をそれぞれ採用することで、複雑な質問への対応や検索精度の向上、エリアデータの優先度の調整などを可能にしている。

 サービスの改善・拡張策として三菱地所らはすでに、利用者の潜在的ニーズに応えるレコメンド機能や、必要な情報をより迅速に提供する仕組みの開発に取り組んでいる。将来的には、大丸有エリアにある情報発信基盤の全てと連携し、地域の魅力をより深く伝えられるようにするという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱地所、NTTデータ
業種サービス
地域東京都千代田区の大手町、丸の内、有楽町(大丸有)
課題東京・丸の内地域の就業者や観光客らの回遊性を高めたい
解決の仕組み大丸有のエリア情報をリアルタイムに提供するサービスを開発・提供する
推進母体/体制三菱地所、NTTデータ
活用しているデータデータ連携基盤(都市OS)が管理、あるいは関連するWebサイトが持つ大丸有地域のイベント情報や飲食店情報など
採用している製品/サービス/技術LLM「Claude 3.5 Sonnet」(米Anthropi社製)、NaiveRAG およびAdvancedRAG
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