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中古車のガリバー、顧客接点でのデジタル活用に向けたCRM環境を整備

DIGITAL X 編集部
2025年1月31日

中古車の「ガリバー」を運営するIDOM(イドム)は、顧客接点におけるデータ活用に向けてCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)のためのシステム環境を整備している。顧客に関するデータを収集・分析し、自動車利用のライフサイクル全般に合ったサービスを強化し、商談数の増加や成約率の改善を図るのが目的だ。システム環境を提供する米Salesforce日本法人が2025年1月21日に発表した。

 中古車の買取・販売店「ガリバー」を運営するIDOM(イドム)が導入・整備するのは、顧客データを管理するためのCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)環境。中古車探しから購入、整備、売却、代車貸し出しまでの中古車利用におけるライフサイクル全般で顧客接点を強化するために、各種データを活用するのが目的だ。

 CRM環境の整備について、IDOM デジタル戦略本部 チームリーダーの野原 昌崇 氏は、「当社のミッションステートメントは“お客様の人生を彩り続ける、『まちのクルマ屋』”である。その実現には、中古車の買取・販売から整備までの各段階で、顧客にとってより身近な存在になれるよう顧客とのつながりを深める仕組みが必要だ」と話す。

 CRM基盤では、店頭での店舗・商談履歴や、「LINEミニアプリ」(LINE製)を利用した際の来店予約の内容などのコミュニケーションログを蓄積・管理する。顧客データは、AI(人工知能)技術を使って分析する。顧客ニーズを捉え、商談成約を高めたりCX(Customer eXperience:顧客体験)の向上に利用する。

 LINEミニアプリでは、予約内容に基づくリマインダーの送信や、顧客の興味に合わせてパーソナライズした提案や個別の質問への回答などを可能する計画だ。

 CRM基盤の整備には、米Salesforceのクラウドサービスを採用する。CRMサービスの「Service Cloud」を基本に、オンライン接点でのコミュニケーションログは「Digital Engagement」で取得し、顧客データは分析ツール「Einstein Analytics」(いずれも米Salesforce製)で可視化する。

 LINEミニアプリを使った仕組みの開発・実行環境には、アプリケーション開発基盤「Lingthning Platform」とPaaS(Platform as a Service)環境の「Heroku」を利用している。

 今後は、Service Cloudの機能を自動車業界向けに最適化したCRMサービス「Automotive Cloud」の導入を目指す。自動車保険や保証の提案、成約後の納車や車検、整備などアフターサービスまでを管理し、自動車ライフ全般にわたって顧客接点を確保する。

 顧客対応に向けたAIエージェント「Agentforce for Service」の採用も検討する。Webサイト上での問い合わせに24時間対応できる仕組みを整備したい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名IDOM(中古車の「ガリバー」運営会社)
業種流通・小売り
地域東京都千代田区(本社)
課題顧客接点のデジタル化を強化して、データから顧客ニーズなどをとらえ、商談数の増加や成約率の改善につなげたい
解決の仕組み顧客データを一元管理するCRM環境を整備し、中古車のライフサイクル全般における顧客接点を管理しアプローチする
推進母体/体制IDOM、米Salesforce日本法人
活用しているデータ来店・商談履歴、オンラインチャネルでのコミュニケーションログなどの顧客データ
採用している製品/サービス/技術CRMサービス「Service Cloud」(米Salesforce製)、分析ツール「Einstein Analytics」(同)、アプリケーション開発基盤「Lightning Platform」(同)、PaaS「Heroku」(同)、デジタルチャネル活用ツール「Digital Engagement」(同)、「Automotive Cloud」(同)、「LINEミニアプリ」(LINE製)
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