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NXアグリグロウ、農産物の2週間先の収量を予測するAIシステムを実証実験

DIGITAL X 編集部
2025年2月4日

農産物の収穫量を予測するAI(人工知能)システムの実証実験にNIPPON EXPRESS(日通)グループのNXアグリグロウが取り組んでいる。温度・湿度など農場の環境データをAI技術で解析し、2週間程度先の収穫量を予測する。出荷計画の精度や物流効率を高めるのが狙い。システムを提供するAGRISTが2025年1月14日に発表した。

 NIPPON EXPRESS ホールディングス傘下のNXアグリグロウは、太陽光を利用する植物工場で葉物野菜を大規模生産する農業法人(写真1)。このほど、農産物の2週間程度先の収穫量を予測するためのAI(人工知能)システムの実証実験を開始した。農場に設置した環境センサーで取得する温度・湿度や日射量、CO2濃度などのセンシングデータと農作物のカメラ画像をAI技術で解析する。

図1:NXアグリグロウの葉物野菜の生産現場

 収量の予測精度を高めることでNXアグリグロウは、同予測データに基づく最適な出荷計画の作成と物流の最適化に取り組む。同社は、気温や天候などが変化し週間収穫量が出荷計画量に満たないと、翌週分を前倒しで収穫し出荷している。前倒し収穫が拡大・長期化すれば、収穫量は大幅に減るだけに、出荷計画量と収穫量のかい離が契約栽培で大きな課題になっている。

 予測システムは、AIとロボットを使った農業経営支援システムを手掛けるAGRISTと開発する。両者は今後、実験で得る知見を生かし、収量予測システムの精度を高め、全国の農家に販売したい考え。将来的には収量予測データと市場価格データを連携し、より収益性の高い農業経営支援システムの構築を目指すという。

 今回の実証実験は、山梨県のスタートアップ支援事業である「TRY! YAMANASHI! 実証実験サポート事業」に採択されたプロジェクトである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名NXアグリグロウ
業種農業
地域山梨県北杜市(本社)
課題契約栽培における出荷計画量と収穫量のかい離
解決の仕組み農場の環境データと農作物の画像データから2週間先の収穫量を高精度に予測し、出荷計画と物流の最適化を図る
推進母体/体制NXアグリグロウ、AGRIST
活用しているデータ環境センサーが取得するセンシングデータ(温度、湿度、日射量、CO2濃度など)とカメラで撮影した農作物の画像データ
採用している製品/サービス/技術農業経営支援システム(AGRIST製)
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