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本州化学工業、複数の工場・設備を対象にした生産計画作成をAIで自動化

ANDG CO., LTD.
2025年2月17日

化学メーカーの本州化学工業は、複数の工場や設備を対象にした生産計画の立案業務にAI(人工知能)技術を適用し自動化を図る。製品の多品種化が進む中で複雑になっている生産計画立案の効率を高め、生産体制の柔軟さや迅速さを確保するのが目的だ。生産計画ソフトウェアを提供するALGO ARTIS が2025年1月28日に発表した。

 本州化学工業は創業110年の化学メーカー。このほど、多品種生産のための生産計画立案業務にAI(人工知能)技術を搭載した生産計画ソフトウェアを導入した。複数の工場や設備を横断した計画の立案をAI技術で自動化し、計画の最適化を図ることで、生産体制をより柔軟かつ迅速に構築できるようにするのが目的だ。

 導入したソフトウェアでは、生産計画の草案をガントチャート形式で自動作成する(図1)。化学業界特有の生産方式である一定単位ごとのバッチや、連続生産などを考慮する。設備や工場ごとの作業を色分け表示することでスケジュールの視覚的な管理を容易にしている。

図1:本州化学工業が導入した生産計画ソフトウェアが作成した生産計画のガントチャートの例

 計画作成には、販売・需要データや、原材料や中間体および製品の在庫データ、製品をタンクに充填するスケジュールなど複数の制約条件を勘案する。バッチ生産における製造プロセスの順序などが制約に違反している場合は、計画者にアラートを発する。生産計画に加え、販売計画、充填計画、タンク繰り、検査計画なども作成する。

 対象品目のPSI(Production Sales Inventory:生産/販売計画/在庫)情報は一元管理する。需給バランスを最適化し、欠品ロスの防止や過剰在庫の削減などにより安定した供給を目指す。PSI情報はこれまで、Excelなどの表計算ソフトウェアで作成・管理しており、多品種化で熟練者の業務負荷が増えていた。

 生産計画ソフトウェアは化学業界向けの「Planium化学」(ALGO ARTIS製)を採用した。導入は三井物産が支援した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名本州化学工業
業種製造
地域東京都中央区(本社)
課題多品種生産が進み生産計画が複雑になり、熟練者による表計算ソフトウェアを使った立案業務の負荷が高まっている
解決の仕組みAI技術を搭載する生産計画ソフトウェアを導入し、複数の工場や設備を横断した生産計画の作成を自動化する
推進母体/体制本州化学工業、ALGO ARTIS、三井物産
活用しているデータ化学品製造工程の販売計画データ、生産計画データ、充填計画データ、タンク繰りデータ、検査計画データ、原料および製品の在庫情報など
採用している製品/サービス/技術化学業界向け生産計画ソフトウェア「Planium化学」(ALGO ARTIS製)
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