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マブチモーター、社内業務に適用する生成AIサービスを国内全拠点に導入

ANDG CO., LTD.
2025年2月20日

マブチモーターは、社内の間接業務の生産性を高めるための生成AI(人工知能)サービスを国内全拠点に導入している。従業員が、より付加価値の高い業務に従集中できるようにし、モーター事業の周辺技術や周辺領域への事業を展開を進めるのが狙い。2025年1月30日に発表した。

 マブチモーターは、社内の間接業務の自動化に向けて、生成AI(人工知能)サービスを2024年10月から国内全拠点に導入し利用している。間接業務の生産性を高め、従業員が、より付加価値の高い業務に集中できる環境を整備するのが目的だ。2024年12月時点で総労働時間の2.5%に当たる9500時間を削減できているという。

 生成AIサービスを適用しているのは、アンケート結果の集計、プログラミングコードの作成、業務報告書や文書の添削作業、海外拠点とやり取りするメール文書の翻訳など。プロンプトのテンプレート(ひな形)を用意し、簡易な情報入力でも回答精度を高められるようにしている。

 生成AIで実行した作業はカテゴリー別に集計し、削減できた時間をダッシュボードで可視化している(図1)。人件費や導入費用などに対し、コストをどれだけ削減できたかを把握するとともに、社内の利用率を高める施策の企画・実行にも利用する。

図1:生成AIサービスの利用により削減できた業務時間を表示したダッシュボードの画面例

 生成AIサービスには、法人向けの「exaBase生成AI」(Exa Enterprise AI製)を採用した。「ChatGPT」(米Open AI製)のAIモデル「GPT-4o」を使ったサービスで、マブチモーターの社員が入力したプロンプトデータは学習に用いず、データ処理も国内サーバーで実施する。

 導入に当たっては、導入計画の立案・実行や利用者教育、実務におけるユースケースの選定、生成AIサービスの業務適用の定着支援について、日鉄ソリューションズ(NSSOL)の支援を受けた。

 1946年創業のマブチモーターは中期経営計画「経営計画2030」において「e-MOTO」というコンセプトを提唱している。グローバル市場が、精密制御やインテリジェントな動作を求める中、これまでの電気による“回転”に加え、多様な“動き”ができる製品の開発を進めている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名マブチモーター
業種製造
地域千葉県松戸市(本社)
課題新規事業の創出・拡大に力を避けるよう、社員がより負荷価値の高い業務に集中できる環境を整備したい
解決の仕組み生成AIサービスを国内全拠点に導入し、社内の間接業務の自動化を図る
推進母体/体制マブチモーター、Exa Enterprise AI、日鉄ソリューションズ
活用しているデータアンケート結果、プログラムの仕様、業務報告書、メール文書など
採用している製品/サービス/技術法人向け生成AIサービス「exaBase 生成AI」(Exa Enterprise AI製)
稼働時期2024年10月(生成AIサービスの導入時期)