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ヤマトとアルフレッサ、ドライバーなどの事故リスク軽減に向けたオンライン健康管理サービスを開始
ヤマトホールディングスとアルフレッサホールディングス傘下で医薬品卸のアルフレッサは2025年2月7日、自動車運送事業者の従業員を対象にしたオンライン医療サービスを開始した。そのための新会社を両社で設立した。健康管理と重症化を防ぐことで健康に起因する事故リスクを軽減するのが目的だ。2025年2月6日に発表した。
ヤマトホールディングスと医薬品卸のアルフレッサが設立した新会社は「MY MEDICA(マイメディカ)」。同社が2025年2月7日、自動車運送事業者の社員を対象に、社名と同じ「MY MEDICA」名のオンライン医療サービスを開始した(図1)。自動車運送事業者が、従業員の健康管理と重症化を予防できるようにし、健康に起因する事故リスクを軽減する仕組みの整備を支援する。
MY MEDICAの利用者は、スマートフォン用アプリケーションを使ってオンラインで診療の予約から診療、服薬指導、薬剤の配送、会計までができる(図2)。診療と服薬指導は最短10分で受けられ、土日も含めた午前7時から午後9時までの間に、それぞれの仕事や生活に合わせた受診が可能だという。薬は自宅や職場など好きな場所で受け取れる。事業者向けに健康診断の再検査の案内や受診結果のとりまとめ、受診状況の可視化もサポートする。
サービス開始に先立ちヤマトグループでは2023年12月からMY MEDICAのトライアルを実施してきた。結果、健康診断の再検査受診率が98%に、治療を開始した人の治療継続率が80%になり、累計受診数も1万件を超えた。現在は毎月約1000人がオンライン医療を利用するなど一定の効果が見られたとしている。
ヤマト運輸とアルフレッサは2019年に医薬品流通研究会を立ち上げ、医薬品の新たな流通ネットワークの構築に取り組んできた。そのなかで、生活者がライフスタイルに合わせて医療を受けやすい環境を構築することが、未治療者と治療中断者の動機治療や重症化予防に有益な打ち手になり得ると考え、オンライン医療サービスの開発に取り組んできた。
今後も、健康起因の事故リスク軽減は自動車運送業者が必ず取り組むべき課題捉え、「人的資本×健康経営」のためのツールとしてのMY MEDICAを通じて医療アクセスの向上を図り、業界の健康課題に取り組んでいくという。
両社によれば、自動車運送事業者の従業員の労働時間は他業種と比べて長く、年齢層も50歳以上が約半数を占めるなど、健康リスクが高い傾向にある。高血圧や糖尿病などの生活習慣病は自覚症状がなく、未治療や治療を中断したまま重症化してしまう健康リスクがある。2021年6月からは健康診断未受診の運転者による健康起因事故が行政処分対象になるなど、自動車運送事業者の従業員の健康管理は重要な経営課題になっている。
企業/組織名 | MY MEDICA(ヤマトホールディングスとアルフレッサの合弁) |
業種 | 医療・健康 |
地域 | 横浜市(本社) |
課題 | 自動車運送事業者の従業員は労働時間が長く、高齢化が進んでいる。2021年6月から健康診断未受診の運転者による健康起因事故が行政処分対象になるなど、自動車運送事業者の従業員の健康管理が重要な経営課題になっている |
解決の仕組み | 自動車運送事業者の従業員が、それぞれの仕事や生活に合わせて医療や重症化予防策を受けられるオンラインサービスを提供する |
推進母体/体制 | ヤマトホールディングス、アルフレッサ、MY MEDICA |
活用しているデータ | 診療予約や診療、服薬指導、薬剤の配送、会計、健康診断結果などの情報 |
採用している製品/サービス/技術 | −− |
稼働時期 | 2025年2月7日(オンライン医療サービスの提供開始日) |