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ソニー損保、生成AIを活用して社内照会業務を効率化するツールを開発

DIGITAL X 編集部
2025年2月26日

ソニー損害保険は、社内照会業務のための「AIチャットプラットフォーム」を開発し、2024年12月下旬から運用を始めている。照会業務にかかる手間を削減し、顧客からの保険商品に関する質問への回答時間を早めるのが狙い。2025年2月7日に発表した。

 ソニー損害保険が開発・運用する「AIチャットプラットフォーム」は、社員が照会業務に利用するためのAI(人工知能)チャットボットの実行環境。社内マニュアルや規定類といった社内情報について社員がテキストべースで問い合わせると該当情報を検索し回答を生成・提示する(図1)。社員が社内情報の取得・照会にかかる手間を削減し、顧客からの保険商品に関する質問に、より迅速に回答できるようにしたい考えだ。

図1:ソニー損保が開発した「AIチャットプラットフォーム」におけるマニュアル検索の画面例

 AIチャットプラットフォームは、人事制度や就業規則などの労務関連情報、重要事項説明書・各保険商品の約款など保険商品に関する情報、社内利用システムマニュアルなどの情報を中心に学習している。いずれも社内で問い合わせや検索が多い情報だという。

 AIチャットプラットフォームは、米Microsoftが提供する「Copilot Studio」と「Azure OpenAI Service」を使って開発し、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成技術)技術を使って社内情報を取り込んだ。機密情報を保護するために、同社専用の環境上に構築したほか、法令・諸規則や生成AI特有のリスクを踏まえた業務運営ルールを策定し運用している。

 今後は、社員のニーズに応じて回答領域の拡大や回答精度の向上を図るほか、顧客向け資料を作成する際の文章チェックのサポートといった機能の拡充も予定する。社内でAIチャットボットの構築・運用ノウハウを蓄積し、顧客からの照会業務への活用も計画する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ソニー損害保険
業種金融・保険
地域東京都大田区(本社)
課題社員の社内照会業務の効率を高め、顧客からの保険商品に関する問い合わせへの回答時間を短縮したい
解決の仕組み社内マニュアルや規定類などの内部情報を学習した生成AIチャットボットを開発する
推進母体/体制ソニー損害保険
活用しているデータ社内で問い合わせや検索の多い人事制度や就業規則、重要事項説明書、各保険商品の約款、社内利用システムマニュアルなどの情報
採用している製品/サービス/技術「Copilot Studio」と「Azure OpenAI Service」(米Microsoft製)
稼働時期2024年12月下旬(運用開始時期)