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スーパーのサミット、サプライチェーンの最適化に向け自動発注システムと倉庫・配送管理システムを連携

ANDG CO., LTD.
2025年3月12日

スーパーのサミットは、サプライチェーンの最適化を目標に自動発注システムと倉庫や配送の管理システムとを連携させる。発注から配送までの最適化を図ることで、店舗在庫と食品ロスの削減を図る。システムを開発した日立製作所が2025年3月3日に発表した。

 スーパーのサミットが連携させるのは、全123店舗で運用している自動発注システムと、物流倉庫や配送を管理するシステム。自動発注システムにおける需要予測データを倉庫・配送の管理システムに渡すことで、店舗在庫を減らすとともに、納品の遅延や待機時間、緊急配送の発生を抑えサプライチェーンの最適化を図るのが目的だ。

写真1:サミットは全123店舗で運用する自動発注システムの需要予測データを倉庫・配送管理システムに渡しサプライチェーンの最適化を図る

 需要予測データは、倉庫・配送管理システム経由で、物流倉庫やメーカーとも共有する。店舗ごとの需要予測にとどめず、メーカーから倉庫、配送、店舗までのサプライチェーン全体での商品供給を改善するのが狙いだ。そのために、適切な量を適切なタイミングで店舗へ配送する仕組みを整備する(図1)。

図1:自動発注システムの需要予測データは、物流倉庫やメーカーとも共有しサプライチェーン全体の商品供給を改善する

 サミットでは2024年10月、自動発注システムを全店舗へ導入した。同システムが提案する発注量を95%採用する形で運用し、欠品の改善や在庫の低減が図れているという。需要予測データは、仕入れを集約するプロセスセンターの加工・パッケージング工程でも利用してきた。

 自動発注の対象はこれまで、加工食品と日用品だったが、2025年9月からは生鮮食品にまで広げ、一部店舗での本格運用を開始する。生鮮食品の自動発注は需要変動が大きく適正在庫の確保が難しいとされるが、システム連携により計画を適正に食品ロスの削減を目指す。

 自動発注システムには「Hitachi Digital Solution for Retail/需要予測型自動発注サービス」(日立製作所製)を導入している。日立は、今回のシステム連携により、サミットの店舗や物流拠点の現場で働くスタッフの生産性を高め、配送における労働力不足問題を解消できるとしている。

 日立によれば、流通・小売り業界では、生産年齢人口の減少やトラックドライバーの労働時間規制など「物流2024年問題」に伴う労働力不足が深刻化している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名サミット
業種流通・小売り
地域東京都杉並区(本部)
課題各店舗の適正在庫の確保だけでなく、メーカーから倉庫、配送、店舗までのサプライチェーン全体で最適化を図り、店舗の在庫や食品ロスを削減したい
解決の仕組み自動発注システムが持つ需要予測データを物流倉庫や配送を管理するシステムと連携するとともに、物流倉庫やメーカーとも共有し、サプライチェーン全体の最適化を図る
推進母体/体制サミット、日立製作所
活用しているデータ商品の販売データ、自動発注システムが生成する需要予測データ、倉庫や配送の管理データなど
採用している製品/サービス/技術「Hitachi Digital Solution for Retail/需要予測型自動発注システム」(日立製作所製)
稼働時期2025年9月(生鮮部門での自動発注システムの運用開始時期)