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セイコーウオッチ、店頭でのCXを高めるための接客情報基盤を「グランドセイコー」店舗に導入

DIGITAL X 編集部
2025年3月13日

セイコーウオッチは2025年3月、店頭でのCX(Customer Experience:顧客体験)を高めるのを目的に店頭販売員らが利用する接客情報基盤を稼働させた。EC(電子商取引)サイトなどの顧客情報を管理している既存システムとも連携し、顧客一人ひとりに合わせた接客やマーケティングを実現していく。システムを開発したセイコーソリューションズが2025年3月5日に発表した。

 セイコーウオッチが導入したのは、店舗での接客情報の入力から、これまでの接客情報や購買履歴などのデータの閲覧・活用までを一括して管理するための接客情報基盤システム(図1)。同社の高級ブランド「グランドセイコー」を扱う店舗「グランドセイコーブティック」のうち国内の一部で利用を開始した。

図1:セイコーウオッチが導入した接客情報基盤システムの位置付けと概要

 グランドセイコーでは、会員サイトやECサイトでの利用や保証登録などを統合する会員ID「Grand Seiko ID」を運用している。今後はGrand Seiko IDをキーに、既存の顧客基盤システムと接客情報基盤システムとを連携し、会員サイトやEC(電子商取引)サイトを利用している顧客の会員データや購買情報、アンケート結果、Webでの行動履歴なども接客情報基盤で統合管理する。

 これにより店頭の販売員は、スマートフォンやタブレット端末を使って接客情報を入力したり、過去の接客履歴を閲覧したりが可能になる。併せて販売員向けのダッシュボードを用意し、販売員が担当する顧客の情報を一元的に確認できるようにもした(図2)。

図2:会員ID「Grand Seiko ID」をキーにオンラインと店頭のCXを統合していく

 これらの仕組みにより店舗間や販売員間で接客情報を共有し、個々の顧客に合わせた接客やマーケティングを推進するという。

 セイコーソリューションズによれば、ECの普及など顧客接点が多様化する中、セイコーウオッチは店頭での接客に対し、販売員間や店舗間での接客情報の共有や購買履歴、コンタクト履歴などの情報のデータ連携・活用を求めていた。接客情報基盤システムは、そうした課題に対応するための仕組みだという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名セイコーウオッチ
業種製造
地域東京都中央区(本社)
課題顧客一人ひとりに合わせた接客を実現するために、販売員間や店舗間で接客情報や購買履歴・コンタクト履歴などの情報を共有したい
解決の仕組み接客情報を一元管理する基盤システムを構築し、ECサイトなどの会員情報や購買履歴を管理している既存の顧客情報基盤と連携されることで、オンラインとオフラインを合わせた接客情報や購買履歴などを一括管理し、ダッシュボードで閲覧できるようにする
推進母体/体制セイコーウオッチ、セイコーソリューションズ
活用しているデータ店頭および会員/ECサイトでの接客情報や顧客情報、購買情報、アンケート結果、行動履歴など
採用している製品/サービス/技術接客情報基盤システム(セイコーソリューションズが開発)
稼働時期2025年3月(国内一部店舗での利用開始時期)