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花王、国内に44拠点ある全物流センターにおける作業量を2025年内に可視化し将来の増減を予測
花王は、国内に44拠点ある自社物流センターにおける従業員の作業量を2025年末までに可視化できるようにする。作業場のボトルネックの改善や人材の最適配置などに利用し、労働時間や人件費の削減につなげる。システムを提供するGROUNDが2025年2月27日に発表した。
花王が導入するのは、物流センターにおける従業員の作業量を可視化するためのシステム(図1)。国内に44拠点ある自社の物流センター「ロジスティクスセンター(LC:Logistics Center)」のすべてに共通環境として2025年内に導入する。既に家庭品を扱う26拠点のLCを対象に、2024年6月に八王子LCに導入した後、2024年末までに導入を終えた。今後は、化粧品LCと共同配送センターを合わせた18拠点に導入していく。
新システムで可視化するのは、入荷から出荷まで全工程における(1)作業の進行状況と(2)作業負荷の2つ。進行状況では、作業の遅れや異常などのボトルネックを特定し、作業遅延の改善策やトラブルへのリカバリー策の立案に利用する。作業負荷では、LCのフロアの別に作業員にかかっている負荷を分析し、人員配置や業務分担の最適化を図りたい考えだ。
併せて、過去の作業実績を元に将来の作業量をAI(人工知能)技術を使って予測する。予測結果から、作業量に合わせて業務の終了時間を決めたり配置を横断的に変更したりして人員配置の最適化を図る。
稼働済みのLCでは、現場管理者が突発的な対応が必要なことを早期に認識し、適切な指示を出せるようになったほか、作業量予測により、労働時間や人件費の削減、管理業務の標準化による属人化の解消などが実現できているという。これまで各LCでは、管理業務の属人化や煩雑化、データの断片化が起こっていた。
可視化システムには、物流施設管理システム「GWES:GROUND Warehouse Execution System」(GROUND製)が提供するモジュールから、業務進捗管理の「PA:Progress Analyzer」と作業量分析の「WA:Workload Analyzer」を利用している。GROUNDは今後も、GWESを使った花王への機能拡充を支援していくという。
企業/組織名 | 花王 |
業種 | 製造 |
地域 | 東京都中央区(本社) |
課題 | 物流センターの管理業務において、属人化や煩雑化、データの断片化が起こっている |
解決の仕組み | 物流センターにおける従業員の作業量を可視化し、従業員の最適配置や、労働時間および人件費の削減に向けた判断を、データに基づくことで精度を高める |
推進母体/体制 | 花王、GROUND |
活用しているデータ | 物流施設における従業員の作業データ |
採用している製品/サービス/技術 | 物流施設管理システム「GWES:GROUND Warehouse Execution System」(GROUND製)が提供する業務進捗管理の「PA:Progress Analyzer」と作業量分析の「WA:Workload Analyzer」の2モジュール |
稼働時期 | 2024年6月(八王子拠点での稼働時期)、2025年末(全44拠点への導入完了時期) |