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三井住友銀行、顧客企業の経営強化支援に向けた需要予測サービスを富士通と共同で開発へ
三井住友銀行(SMBC)は、顧客企業におけるデータ駆動型経営を支援するために、各種の需要予測サービスを開発し外販する。そのために富士通と共創し、金融業界やデータサイエンスの知見を組み合わせてサービスを開発する。顧客の経営環境において“経験や勘”に基づく意思決定が通用しない場面が増えているという。2025年4月3日に発表した。
三井住友銀行(SMBC)は、顧客企業への経営支援策としてオーダーメイド型のデータ分析サービスを提供している。このほど顧客ニーズが高い需要予測を対象にしたサービスの開発を開始した(図1)。多業種を対象に、顧客企業がデータに基づく意思決定ができるよう支援し、各社の競争力を高めるのが目的だ。
開発する需要予測サービスでは、顧客企業から商品や在庫などのマスターデータ、実績データ、生産計画データなどの提供を受け、例えば発注量や、人員配置、物流計画などの意思決定に必要な需要を予測する。
開発に取り組む背景には、従来の“経験や勘”に基づく経営判断では対応し切れない場面が増え、企業の業種や規模を問わず、意思決定の高度化や業務効率化に向けたデータ活用への関心が高まっていることがある。
需要予測サービスは富士通と共同で開発する。開発に当たりSMBCは、データサイエンスと金融工学に基づく独自の知見による事例や定性分析を用いて、企業個別の課題に対する最適なアプローチを設計する。
富士通は、需要予測の精度を高めるために、複数モデルの結果を統合する「動的アンサンブルモデル」を提供する。単一モデルよりも、需要の変動要因やトレンド、外的影響などを考慮でき、より実態に即した結果を導き出せるという。
両者は2024年に共同プロジェクトチームを立ち上げ、顧客ニーズに即した調査と分析を進めてきた。今後は、共同マーケティングや相互の資産や技術を使った実証実験にも取り組み、そこでの成果を元に多業種への横展開やサービスの高度化を図りながら、各業界の実情に即したサービスを段階的に展開していく計画である。
企業/組織名 | 三井住友銀行(SMBC) |
業種 | 金融・保険 |
地域 | 東京都千代田区(本社) |
課題 | “経験や勘”に基づく経営判断では対応し切れない場面が増え、顧客企業の競争力を高めるための意思決定の高度化や業務の効率化を支援したい |
解決の仕組み | データサイエンスと金融工学の知見を活かし需要予測サービスを開発し提供する |
推進母体/体制 | 三井住友銀行、富士通 |
活用しているデータ | 顧客のマスターデータ、実績データ、計画データなど |
採用している製品/サービス/技術 | 需要予測のための動的アンサンブルモデル(富士通製) |
稼働時期 | 2024年(富士通との共同プロジェクトチームの立ち上げ時期) |