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仏ミシュラン、シミュレーションソフトのサブスク事業強化に向けライセンス管理基盤を導入
仏ミシュランは、自社開発するシミュレーションソフトウェアのサブスクリプション事業を強化するために、ライセンス管理基盤を導入した。知的財産(IP:Intelectual Property)を保護し、顧客が望む運用環境に向けてソフトウェアを提供する。管理基盤を提供する仏タレスが2024年4月23日(米国時間)に発表した。
仏ミシュランが、これまでのタイヤ製造を中核にしたビジネスモデルから、ソフトウェア事業の拡大へと力を入れている。モビリティ領域におけるシミュレーション技術やアルゴリズムの開発を強化し、ソフトウェアあるいはSaaS(Software as a Service)としてサブスクリプションモデルでの提供を本格化させる。
そのためにこのほど、ソフトウェアの販売/提供を管理するための基盤を導入した。ソフトウェアのライセンスを管理するとともに、独自性が高い知的財産(IP:Intelectual Property)の漏えいや不正使用のリスクを回避し収益性を高める。
ミシュランのソフトウェアは、自動車メーカーやレーシングチーム、サプライヤーなどを対象にしたもの。具体的には(1)タイヤ性能をシミュレーションする「TameTire」、(2)車両挙動やラップタイムをシミュレーションする「Canopy」、(3)タイヤ、サスペンション、シャーシなどの構成要素に関するデータセットを提供する「SiMiX」などだ。今後も機能拡張を図るほか、新製品の開発も視野に入れる。
これらソフトウェアは、SaaSとしてのクラウド版を基本に、オンプレミスで利用するオフライン版や、両環境を組み合わせたハイブリッド版も提供する。特にハイブリッド版を拡張し、開発の柔軟性とセキュリティの両立を図っていく。
TameTireの製品責任者であるピエール=イヴ・モーリエール(Pierre-Yves Mauriere)氏は「当社は高品質なソフトウェアを知的財産として保護しつつ、サブスクリプションモデルを柔軟に展開していく。今後はソフトウェア開発にさらに注力し顧客への価値提供を強化していく」と話す。
ソフトウェア管理基盤には、仏タレス製の「Sentinel」を採用し、ライセンス管理機能「Cloud License Manager」を使って自社ソフトウェアを管理する。オンプレミス、クラウド、ハイブリッドの複数の運用環境に対応できる点を評価したという。
企業/組織名 | 仏ミシュラン |
業種 | 製造 |
地域 | 仏クレルモン=フェラン(本社) |
課題 | タイヤ製造だけでなくソフトウェアビジネスに転換するに当たり、自社開発したシミュレーションソフトウェアのライセンスを適切に管理したい |
解決の仕組み | ソフトウェア管理基盤を導入しライセンスを一元管理する |
推進母体/体制 | 仏ミシュラン、仏タレス |
活用しているデータ | シミュレーションソフトウェアのライセンス先や利用状況など |
採用している製品/サービス/技術 | ソフトウェア管理基盤「Sentinel」(仏タレス製) |
稼働時期 | −− |