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インターコンチなどの英IHGホテルズ&リゾーツ、コンタクトセンターの環境や業務を世界共通に
世界最大級のホテルグループである英IHGホテルズ&リゾーツは、顧客への対応品質を世界規模で均質にするために、コンタクトセンターの環境を世界共通に切り替えた。顧客の1人ひとりに、きめ細かなサービスを提供しCX(Customer Experience:顧客体験)を高めることで他社との差別化を強化する。切り替えを支援した米ジェネシスが2025年5月14日(米国時間)に発表した。
英IHGホテルズ&リゾーツ(以下、IHG)は「インターコンチネンタル」や「クラウンプラザ」「ホリデイ・イン」などのブランドでホテルチェーンを展開する世界最大級のホテルグループ。このほどコンタクトセンターの環境をグルーバルに統一した。顧客がどこで、いつ問い合わせても同様の品質で応対できるようにすることで「顧客の期待を超えたサービス」を提供しCX(Customer Experience:顧客体験)を高め、競業他社との差別化を図るのが目的だ。
IHGは顧客対応拠点となるコンタクトセンターを世界8拠点で運用している。新しい環境では、複数の言語で提供している音声やチャット、SMS(ショートメッセージサービス)といったデジタルチャネルを統合的に管理する。顧客の要望や過去の対応履歴などのた会話データを蓄積し、次回以降の宿泊時などに、きめ細やかなサービスを提供できるようにする。例えば「京都での客室アップグレード」や「ローマでの宿泊予約」「パリでの枕の追加リクエスト」などだ。
従来は拠点ごとに異なるシステムを運用してきた。そのため、サービス品質のばらつきや、複数地域にまたがる問い合わせ対応に課題があった。
環境の切り替えでは、数千人規模のオペレーターと数千件のフリーダイヤル番号が対象になったが、停止時間はなかったとしている。プロジェクトは、IHGの予約・カスタマーケアテクノロジー部門が主導した。
同部門の責任者であるメアリー・ヘンダーソン氏は「今回の移行は、最先端のテクノロジーを通じてCXを高めることと、将来に向けたコンタクトセンター機能の強化というコミットメントに基づいている。オペレーションの最適化や顧客エンゲージメントの強化、シームレスなサービス提供などを可能にする最高クラスの仕組みを確実に実現していく」としている。
コンタクトセンター基盤は、米ジェネシスが提供するクラウドサービス「Genesys Cloud」に統合した。今後は、次世代のAI(人工知能)機能と、デジタルチャネルや従業員エンゲージメントの管理、最適なオペレーターをアサインする「インテリジェントルーティング」などの機能を使いながら、業務の最適化や顧客自身が操作するセルフサービス化などに取り組むという。
ジェネシスの調査によれば、回答者の56%が「ホスピタリティ&トラベル部門のカスタマーサービスが最も優れている」と評価している。そこでは多くのブランドが競い合っており、差別化を図るには常に最適なCXの提供が不可欠になっている。
企業/組織名 | 英IHGホテルズ&リゾーツ |
業種 | サービス |
地域 | 英バークシャー州ウインザー(本社) |
課題 | 世界各地のどこから問い合わせ受けても同様の品質で応対できるようにし個々の顧客に合ったサービスを提供することでCX(顧客体験)を高めたい |
解決の仕組み | 世界に8カ所あるコンタクトセンターのシステム環境をグローバルに統一し、音声やチャット、SMSなどのチャネルを集約するとともに、オペレーターの対応品質の均質化を図る |
推進母体/体制 | IHGホテルズ&リゾーツ、米ジェネシス |
活用しているデータ | 通話やチャット、SMSなどにおける顧客との会話記録、問い合わせ履歴、宿泊履歴、サービス利用傾向などのデータ |
採用している製品/サービス/技術 | コンタクトセンターのクラウドサービス「Genesys Cloud」(米ジェネシス製) |
稼働時期 | -- |