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ビバホームのアークランズ、M&Aで分散していたEC基盤をグループ全体で刷新
「ビバホーム」や「ムサシ」などのホームセンター事業を手掛けるアークランズがEC(電子商取引)サイトの運営基盤を刷新した。M&A(企業の合併・統合)により分散していたEC基盤を統合しグループ全体での販売機会を拡大する。併せてオムニチャネル施策を加速し、顧客接点を強化する。2025年5月27日に発表した。
アークランズは「ビバホーム」や「ムサシ」などホームセンター事業を手掛ける企業。このほどEC(電子商取引)サイト「ビバホーム公式オンラインショップ」のシステム基盤を刷新した。M&A(企業の統合・買収)により事業を拡大してきたため、各社が運用してきたWebサイトやECサイト、会員情報などを統合できていなかった。新基盤の稼働により顧客誘導や売上拡大などM&Aによる相乗効果を刈り取りたい考えだ。
今後は、オムニチャネル施策を強化し、ECと店舗を融合するOMO(Online Merges with Offline)など顧客接点をグループ全体で強化する。そのためにスマートフォン用アプリケーションや会員基盤も刷新し、顧客が「分かりやすくて便利」と感じるCX(Customer Experience:顧客体験)の提供を目指す。
新EC基盤は、公式オンラインショップの機能を提供するフロントシステムと、受発注履歴や在庫データを管理するバックオフィスシステム、およびAmazon.comや楽天、Yahoo!などの外部モールの在庫や商品マスターを管理する連携システムからなる(図1)。ECビジネス全体でのデータの整合性を高め、サイト間での横断検索を強化し販売機会の損失を防ぐ。同時にサイトのメンテナンス効率を高める。
フロントシステムにはECサイト基盤「Salesforce B2C Commerce」(米Salesforce製)を、バックオフィスシステムにはオーダー管理システム「F.ACE」(ダイアモンドヘッド製)を採用。連携システムには商品情報管理システム「PCS」(同)と在庫情報管理システム「SCS」(同)、モール受注管理システム「StoreOMS」(同)を採用している。
システム開発ではSCSKが提供するCX(Customer Experience:顧客体験)最適化サービス「altcircle」を利用した。事業者に対するシステム導入実績と、ビジネス拡大に向けた伴走支援ができる点を評価したという。
アークランズによれば、ホームセンター業界は近年、供給過剰状態にあり新規出店による成長戦略が限界を迎えている。各事業者は、OMOやオムニチャネルといった既存顧客の囲い込み策と、デジタル技術を活用した顧客接点の強化に取り組んでいる。
企業/組織名 | アークランズ |
業種 | 流通・小売り |
地域 | 新潟県三条市(本社) |
課題 | M&Aにより事業拡大したもののECシステムや顧客情報などが統一できておらずグループ全体での販売機会拡大や顧客接点の強化が実現できていない |
解決の仕組み | EC基盤をグループ全体で刷新し、同基盤上で各種施策を展開する |
推進母体/体制 | アークランズ、SCSK |
活用しているデータ | 商品マスター、ECサイトでの会員情報・購買履歴・アクセスログなど |
採用している製品/サービス/技術 | ECサイト基盤「Salesforce B2C Commerce」(米Salesforce製)、オーダー管理システム「F.ACE」(ダイアモンドヘッド製)、商品情報管理システム「PCS」(同)、在庫情報管理システム「SCS」(同)、モール受注管理システム「StoreOMS」(同)、CX最適化サービス「altcircle」(SCSK製) |
稼働時期 | -- |