• UseCase
  • 製造

日清食品HD、意思決定の速度・精度を高めるためにERPを含めるデータ統合基盤を構築

DIGITAL X 編集部
2025年6月20日

日清食品ホールディングスは、基幹業務データを集約するためのデータ統合基盤を構築した。ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)システムが管理する販売実績や物流情報などの分析を可能にし、社内の意思決定速度と精度を高めるのが目的だ。データ統合基盤を提供する米Qlik Technologiesの日本法人が2025年6月4日に発表した。

 日清食品ホールディングスが構築したのは、複数部門にまたがっていた業務データを一元的に管理・分析するためのデータ統合基盤。同社のERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)システムである「SAP」(独SAP製)の業務データを含めて分析することで、社内の意思決定速度を高めると共に精度も高めるのが目的だ。

 同社執行役員 兼 CIO(最高情報責任者)の成田 敏博 氏は「日清食品グループをデータに基づいて議論・意思決定する企業体に変革していくためには、基幹業務システムを1つの基盤に統合することが不可欠だった」とする。

 これまではERPのデータが複数基盤に分散し、データの整合性や更新頻度にバラツキがあり1日1回、手動で更新していたという。リアルタイム性に欠け意思決定に遅れが生じたり業務負荷の増大につながったりしていた。

 新基盤は、ERPシステムが持つ販売実績や物流関連情報などをETL(Extract Transform Load:収集/変換/加工)ツールを使って取り込み一元管理する。そのからデータ分析のためのDWH(データウェアハウス)にリアルタイムに近い頻度でデータを提供する。

 AI(人工知能)技術を使った自動通知の仕組みも採用し、出荷数や売上高の変動など意思決定に必要な兆候が見られれば、それを物流や営業など現場の従業員に伝達する。

 今後は、データ統合基盤上でのデータの高度化を図り「AI技術で処理しやすい形式の情報として整備することで、従業員の知見や判断力をシステム的に支援できる体制の実現を視野に入れている」(成田氏)という。

 データ統合基盤には、米Qlik Technologiesのデータ統合基盤「Qlik Talend Cloud」を採用した。DWHには「Snowflake」(米Snowflake製)を利用している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日清食品ホールディングス
業種製造
地域東京都新宿区(本社)
課題ERPが管理する基幹業務データが複数のデータ分析基盤に分散し、手動で1日1回更新してきたが、リアルタイム性に欠け意思決定に遅れが生じたり業務負荷の増大につながったりしていた
解決の仕組みERPのデータを集約するデータ統合基盤を構築し、そこからデータ分析のためのDHWにリアルタイムに近い頻度でデータを更新する
推進母体/体制日清食品ホールディングス、米Qlik Technologies日本法人
活用しているデータERPシステムが管理する販売・物流・在庫などの基幹業務データ
採用している製品/サービス/技術ERPシステム「SAP」(独SAP製)、データ統合基盤「Qlik Talend Cloud」(米Qlik Technologies製)、クラウド型DWH「Snowflake」(米Snowflake製)
稼働時期--