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LIXIL、工場設備の不具合発生を予測するAIアルゴリズムを全工場に導入へ

DIGITAL X 編集部
2025年7月4日

住宅設備大手のLIXILが、工場設備の不具合発生を予測するAI(人工知能)アルゴリズムの全工場への導入を検討している。モデルケースとして福島LIXIL製作所(福島県須賀川市)での利用を開始した。製造設備での不具合発生を予測し、突発的なトラブルによる工場停止を防ぎ稼働率を高めるのが目的だ。AIアルゴリズムの開発を支援したJDSCが2025年6月25日に発表した。

 住宅設備大手のLIXILが全工場への導入を計画するのは、設備保全のためのAI(人工知能)アルゴリズム。製造設備の不具合を予測し突発的な故障による生産停止を防止することで、工場全体の稼働効率を高めるのが目的だ。AIアルゴリズムは工場のシステムに組み込み、現場担当者が予防保全に利用する。

 モデルケースとしてこのほど、同社のインテリア製造の主力拠点である福島LIXIL製作所(福島県須賀川市)での利用を開始した。熟練作業者の経験と判断力に頼る保守体制から、AI技術を使った自動化に転換する。

 導入したAIアルゴリズムでは、設備の運転ログや、過去の点検履歴、異常時のセンサーデータなどを基にした機械学習(ML:Machine Learning)による予測モデルによって設備ごとの不具合発生確率を算出する。モデル開発に使用したデータは、福島LIXIL製作所が持つ26の生産ラインで稼働する合計100台以上の製造設備から取得した。

 AIアルゴリズムの開発は、データ解析と機械学習を手掛けるJDSCが、既存システムとの連携を含め支援した。今後は、対象設備を拡大しながら、収集する履歴データの精度や網羅性を高め、AIアルゴリズムの予測精度向上を目指す。

 LIXIL 須賀川工場 工場長の青木 和彦 氏は「JDSCが保有するデータ活用の技術と知見を取り入れることで、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、高品質な製品の安定供給につなげたい」とする。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名LIXIL
業種製造
地域福島県須賀川市(福島LIXIL製作所)
課題突発的な設備故障による生産停止を防ぎ、工場の稼働率を高めたい
解決の仕組み工場内の製造設備ごとの不具合発生確率を予測し、工場のシステムと連携させて現場担当者が予防保全に利用できるようにする
推進母体/体制LIXIL、JDSC
活用しているデータ工場設備の運転ログ、過去の点検履歴、異常時のセンサーデータなど
採用している製品/サービス/技術機械学習(ML:Machine Learning)
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