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THK、工場のエネルギー使用量を可視化するシステムを開発し外販

DIGITAL X 編集部
2025年7月7日

機械要素部品メーカーのTHKは、工場のエネルギー使用量を可視化するシステムを開発し2025年7月2日に発売した。電力消費量は、工場全体のほか、ラインや設備の単位でも可視化できる。同日に発表した。

 THKは機械要素部品のメーカー。自社工場の運用ノウハウを元にしたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービス「OMNIedge」を開発し、2019年から外販している。これまでに部品予兆検知や工具監視、スキル管理、メンテナンス統合管理の仕組みを提供している。

 今回、OMNIedgeを基盤に、工場における電気、水、ガスなどのエネルギー使用量を可視化するシステムを開発し「GXソリューション」として発売した(図1)。自社工場でのカーボンニュートラル施策などで得たノウハウを元に開発したとしている。省エネを阻害するムダの特定など戦略的なエネルギーマネジメントの実行も支援する。

図1:THKの「GXソリューション」の概要

 GXソリューションでは、建物や分電盤、ブレーカーごとに電力・力率・消費電力量を測定し、そこからCO2排出量を算出し可視化する。狭い分電盤内にも設置できるよう、数珠つなぎ式の電力センサーを使用する。LP(液化石油)ガスと水の使用量は、それぞれの流量計から収集する。データは専用の4G/LTE(第4世代移動通信システム)回線経由で送信する。

 電力消費量は、センサーのグルーピング機能により、工場全体のほかラインや設備グループなど任意の単位で集計でき、設備の移設や省エネルギー設備の導入の際に、それらのROI(投資対効果)や環境性能の測定に利用できるとする。電力消費量がしきい値を超えそうになればアラートで通知する。

 THKによれば、製造業における省エネ活動にあっては、工場の統廃合や変種・変量生産に伴う生産ラインの頻繁な変更により、工程や設備単位でのエネルギー使用量の収集や分析が難しいという課題がある。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名THK
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題モノの生産・販売だけでなく、自社工場の運営ノウハウを元にしたサービス事業を拡大したい
解決の仕組みIoTサービス「OMNIedge」を基盤に、工場における電気、水、ガスなどのエネルギー使用量を可視化するシステムを開発し「GXソリューション」として販売する
推進母体/体制THK
活用しているデータ工場における電気、ガス、水の使用量
採用している製品/サービス/技術IoTサービス「OMNIedge」(自社製)
稼働時期2025年7月2日(サービスとしての発売時期)