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介護用品レンタルのヤマシタ、顧客宅への設置を事前に確かめるARアプリを開発

DIGITAL X 編集部
2025年7月8日

介護・福祉用品のレンタル事業を手掛けるヤマシタは、介護用品を顧客宅に設置した際のイメージを事前に確認するためのAR(Augmented Reality:拡張現実)アプリケーションを開発した。2025年7月から全国約80の営業所で利用を始めている。サイズ感や生活動線を実際の環境で確認し、設置後のトラブルを防ぎ納得感を高める。2025年7月1日に発表した。

 介護・福祉用品を販売・レンタルするヤマシタが開発したのは、介護用品の顧客宅への設置を事前に確認するためのAR(Augmented Reality:拡張現実)アプリケーション(図1)。提案段階から設置後のイメージを顧客と共有し、設置後のクレームや作業の手戻りをなくすのが目的だ。2025年7月から全国約80の営業所で利用を始めている。

図1:ヤマシタが開発したARアプリケーションの表示例。介護用ベッドを設置場所に重ねて表示する

 営業担当者はまず、実際の居室空間をiPhoneを使って撮影する。それをARアプリケーションに読み込み、設置予定の介護用品を原寸大で3D(3次元)表示で重ね合わて、設置時のサイズ感や生活動線を事前に確認する。表示内容は画像として保存し提案書や報告書にも利用する。

 AR表示ができる介護用品は、介護ベッドやポータブルトイレ、置き型手すり、リフトなど比較的大型の8品目42商品。対応商品は今後も増やす予定である。

 試験導入では、営業担当者が顧客宅に持参する介護用品の数を減らせる効果が確認できたという。倉庫から持ち出すまでの物流関連業務が25%削減できたことから本格導入を決めた。

 従来は、顧客がサイズ感や生活動線を具体的にイメージすることが難しく「思ったより大きかった」「動線がふさがってしまった」などのクレームが少なくなかった。設置場所を急きょ変更せざるを得ないケースなど、納品作業の手間と時間の増加を招いていたという。

 ARアプリは、ヤマシタのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進部門が主導し、ローコード開発基盤「Microsoft Power Apps」(米Microsoft製)を使って開発した。今後もローコード/ノーコード開発による業務改善を加速させる考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ヤマシタ
業種サービス
地域静岡県島田市(本社)
課題介護用品を自宅に設置した際のサイズ感や生活動線を顧客はイメージしずらく、設置後にクレームになるケースがある
解決の仕組み設置する介護用品を居室空間に原寸大で3D表示するARアプリを開発し、提案時から設置後のイメージを確認できるようにする
推進母体/体制ヤマシタ
活用しているデータ介護用品の3D画像データ
採用している製品/サービス/技術ローコード開発基盤「Microsoft Power Apps」(米Microsoft製)、AR技術
稼働時期2025年7月1日(営業店での利用開始時期)