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小野薬品工業、マニュアルを標準化・統一するための生成AIシステムをロゼッタと共同開発へ

DIGITAL X 編集部
2025年7月21日

小野薬品工業は、社内にあるマニュアルや手順書などを統一するための生成AI(人工知能)システムの開発を開始した。AI翻訳サービスを手掛けるロゼッタと共同で取り組む。2025年6月から9月までの第1フェーズでは、複数文書から文意レベルで重複・類似する文章を抽出・統合できるようにする。ロゼッタが2025年7月14日に発表した。

 小野薬品工業がAI翻訳サービスのロゼッタと共同開発するのは、マニュアルや作業手順書などの重複を排除し統一するための生成AI(人工知能)システム。文書の整理業務を標準化し、業務の品質とスピードの向上につなげるのが目的だ。

 2025年6月から9月までの第1フェーズでは、重複・類似した記述を文意レベルで判断・抽出したうえで、人の業務思考に沿って構造化し統合・再構成する。先行して2025年5月下旬に、生成AIシステムの要件定義とデザイン作成を実施した。6月から8月は小野薬品が持つマニュアルデータを使ってAIモデルを開発・検証する。8月~9月に検証結果を元に改修し、製薬企業に即した実用レベルのプロトタイプを完成させるとしている。。

 開発した技術は小野薬品専用にせず、将来的には「SOP(Standard Operating Procedures:標準作業手順書)統合 AI」としてロゼッタが提供するAI翻訳サービスのラインアップに組み込み、製薬業界向けの「文書最適化インフラ」(ロゼッタ)として横展開する構想を描いている。

 ロゼッタによれば、製薬企業は、マニュアルや作業手順書を関連法規などの改正に応じて作成・管理している。複数部署が同じような内容の文書を作成するため重複・類似した文書が複数存在し、業務上の混乱や情報の更新漏れ、内容の矛盾、属人化など、業務品質やコンプライアンスに関わるリスクが発生する可能性がある。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名小野薬品工業
業種医療・健康
地域大阪市(本社)
課題関連法規などの改正に応じて、複数の部署がマニュアルや作業手順書を作成・管理しており、内容の重複や類似性が高く業務上の妨げになっている
解決の仕組み重複・類似する文章を文意レベルで抽出・統合できるようにし、文章の整理業務を標準化する
推進母体/体制小野薬品工業、ロゼッタ
活用しているデータ小野薬品が保有するマニュアルなど
採用している製品/サービス/技術生成AI技術、文書解析技術
稼働時期2025年9月(プロトタイプの完成予定時期)