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栗田工業、水処理に関するOTデータを体系化し構造化データにする仕組みを構築

DIGITAL X 編集部
2025年7月31日

栗田工業は、同社が提供する水処理装置や薬品に関するOT(Operational Technology:制御・運用技術)データを体系化し構造化データとして利用するための仕組みを構築した。水処理関連技術や顧客向けサービスの高度化に向けたデータ活用を加速する。体系化を支援した日鉄ソリューションズ(NSSOL)が2025年7月22日に発表した。

 水処理システムの栗田工業は、5カ年中期経営計画において水処理関連技術や顧客向けサービスの高度化を図り事業拡大を加速することを掲げている。そのためにグローバルに共通のデータ基盤を構築し、水処理装置や薬品に関するOT(Operational Technology:制御・運用技術)データの活用に取り組んでいる。

 このほど、OTデータを体系化し構造化データとして扱うための仕組みを構築した。水処理現場に設置したセンサーや制御装置から集めたOTデータに対し、設備のID(個体番号)や仕様、設置場所などのメタデータを付与し、識別情報や属性情報などを持つ設備マスターと紐付ける。

 OTデータに設備や時間などの意味を持った形で構造化することで、製品品質や操業効率、トラブル要因などを分析する際の因果関係の把握が可能になる。今後は、共通データ基盤上でAI(人工知能)技術を用いた分析などに取り組み、異常予兆や遠隔監視といった顧客向けサービスの開発に利用する。

 OTデータを体系化する仕組みの構築では、日鉄ソリューションズ(NSSOL)の支援を受けた。NSSOLは製造業におけるOTデータ活用を長年支援しており、体系化・構造化の知見を持つという。

 共通データ基盤は、水処理サービスを開発するFracta Leap(フラクタリープ)の支援を受けて構築し、2024年1月から運用を始めている。同基盤を使った製紙業界向け製品品質診断サービス「Kuri-smart」を2024年9月から提供している。Kuri-smartでは、水質データから、操業に影響を与える不具合要因の特定や品質低下、操業トラブルを予測する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名栗田工業
業種製造
地域東京都中野区(本社)
課題水処理の現場で得るOTデータを顧客向けサービス事業などのビジネス創出につなげる
解決の仕組みOTデータを体系化し設備IDや時間などのメタデータを付与して設置マスターと紐付けることで、因果関係などの分析を可能にする
推進母体/体制栗田工業、日鉄ソリューションズ、Fracta Leap
活用しているデータ水処理に関するOTデータ、設備のIDや仕様、設置場所などのメタ情報
採用している製品/サービス/技術--
稼働時期--