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マツダ、全社データを扱える業務アプリの開発・運用基盤を本格稼働

DIGITAL X 編集部
2025年8月6日

マツダは、全社データを統合し、それらを対象にした業務アプリケーションの開発・実行基盤を本格稼働させた。データを起点とした戦略立案や業務改善を迅速にするのが目的だ。2025年6月末から工場、情報システム、購買、国内営業の4部門で本格的に利用している。基盤を提供する富士通が2025年7月16日に発表した。

 マツダが本格稼働させたのは、各所に分散しているデータを全社規模で統合し、それを使った業務アプリケーションの開発・実行基盤。全社データを横断的に利用できる環境を整備し、データに基づく戦略立案や業務改善を迅速にするのが目的だ。2025年6月末から、工場、情報システム、購買、国内営業の4部門で同基盤上で開発した業務アプリケーションの本格利用を始めている。

 基盤ではまず、国内業務に関するデータをクラウド上に全社レベルで統合し、データの可視化を図っている。各部のデータは複数のシステムに分散して存在しており、データを横断的に扱うためには集計や照合などのデータ整理に工数を費やしていた。

 本格稼働に先立ち、2023年から購買部門を対象にしたアジャイル手法によるアプリ開発に着手し、これまでに他部門を含めた5部門で合計33の業務アプリを開発・実証し、2024年12月から段階的に導入してきた。

 購買担当者向け業務アプリの例では、部品単価や在庫状況、プロジェクト別の価格変動など意思決定に必要な情報をリアルタイムに閲覧・分析できるようにし分析や判断のスピード向上を図っている(図1)。

図1:マツダが取り組む業務データの統合からアプリケーション開発までの流れ

 業務アプリの開発・運用基盤には、富士通のPaaS(Platform as a Service)基盤「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を採用している。同PaaSは、富士通のAI(人工知能)サービス「Fujitsu Kozuchi」やデータ連携サービスなどからなり、今回はデータ統合機能が高い「Palantir Foundry」(米Palantir Technologies製)上で業務アプリケーションを構築している。

 業務アプリ開発では、富士通のデータサイエンティストがマツダの各部門に対し業務課題の具体化や、ありたい姿の明確化を支援している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名マツダ
業種製造
地域広島県安芸郡府中町(本社)
課題分散した業務データの収集や統合に時間と手間がかかり、現場の意思決定や業務改善のスピードが高まらない
解決の仕組み全社の業務データを統合し、横断できに可視化できるようにすると同時に、そのデータを使った業務アプリケーションを開発・運用できるようにする
推進母体/体制マツダ、富士通
活用しているデータ全社の業務関連データ
採用している製品/サービス/技術PaaS環境「Fujitsu Data Intelligence PaaS」(富士通製)、データ統合機能「Palantir Foundry」(米Palantir Technologies製)
稼働時期2025年6月(工場、情報システム、購買、国内営業の4部門での業務アプリの本格利用開始時期)