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五洋建設、工事用仮設エレベーターの稼働を監視するシステムを開発

DIGITAL X 編集部
2025年8月21日

五洋建設は、工事現場で利用する仮設エレベーターの稼働状況をリアルタイムに把握するためのシステムを開発した。エレベーターの配置や作業計画などに利用し、待機時間の短縮や荷揚げ作業の効率化を図るのが目的だ。2025年8月5日に発表した。

 五洋建設が開発した「工事用仮設エレベータモニタリングシステム」は、工事現場に設置する仮設エレベーターの稼働状況をリアルタイムに把握するためのシステム(図1)。複数台に対応し、エレベーターの配置や作業計画に利用して待機時間の短縮や荷揚げ作業の効率化を図る。

図1:五洋建設が開発した「工事用仮設エレベータモニタリングシステム」の利用イメージ

 仮設エレベーターには、一般のエレベーターのような現在階や行き先階を表示する機能がない。作業員が運行状況を把握できずに無駄な待機時間が発生している。複数台が稼働する現場では、稼働状況や荷揚げ対象に関するデータの集計が難しい。

 工事用仮設エレベータモニタリングシステムでは、エレベーターの制御盤の信号や内部映像をエッジデバイスで取得し、クラウドに送信することで稼働状況を把握する。稼働状況は、現場事務所のモニターや作業員のスマートフォンで確認できる(図2)。各エレベーターに対する周知事項も表示し、場内の情報共有を徹底できるようにもした。

図2:工事用仮設エレベータモニタリングシステムの管理者用画面の例

 東京都中央区月島でのマンション建設現場で利用した。高層階での荷卸し状況に応じて積み込みを作業を調整したり、搬入車両の待機時間短縮といった効果が確認できたという。

 今後は、超高層大規模現場にも適用し、積載物の種類や重量、荷揚げ時間などのデータを蓄積・分析することで、荷揚げ作業の進捗管理や計画と実績の比較により、工期の短縮につなげたい考え。AI(人工知能)技術を使った分析により稼働率の比較や分析作業の自動化にも取り組むという。

 システムは、AI開発基盤「SENSYN CORE」(センシンロボティクス製)を利用して開発した。エレベーターの制御信号や映像データを効率よく処理・配信できる構成したとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名五洋建設
業種製造
地域東京都文京区(本社)
課題工事用仮設エレベーターには現在階や行き先階の表示がなく、稼働状況を把握できないため、待機時間が長くなるなど作業効率が悪い
解決の仕組みエレベーターの制御盤の信号と内部映像をエッジデバイスで取得し、クラウドに送ることで稼働状況をリアルタイムに把握する
推進母体/体制五洋建設、センシングロボティクス
活用しているデータエレベーターの制御盤の信号および内部映像
採用している製品/サービス/技術AI開発基盤「SENSYN CORE」(センシンロボティクス製)
稼働時期--