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ミスミ、顧客からの問い合わせ対応にAIチャットボットを導入

DIGITAL X 編集部
2025年9月1日

ミスミグループ本社は2025年8月26日、顧客からの問い合わせに対応するカスタマーサービスにAI(人工知能)チャットボットを導入した。技術サポート用チャットボットを改良し、問い合わせ対応にも適用した。同日に発表した。

 ミスミグループ本社(ミスミ)は、商品受注後に顧客からの問い合わせに対応するカスタマーサービスの問い合わせ対応に、生成AI(人工知能)技術を使った活用するAIチャットボットを導入した(図1)。自社EC(電子商取引)サイト「MISUMI ECサイト」に、2025年8月26日から設置している。問い合わせ時の煩雑さを解消するとともに、回答の待ち時間を削減しCX(Customer Experience:顧客体験)の向上につなげるのが目的だ。

図1:ミスミグループ本社は自社ECサイト「MISUMI ECサイト」にAIチャットボットを設置した

 ミスミは2024年11月から、顧客への技術サポートにAIチャットボットを導入している。3000万点以上ある商品の仕様などに関する問い合わせに対し、社内の商品データベースを検索し、それを元に生成AIが回答する仕組みである。オペレーターによる対応と比べ、平均回答時間は1時間から40秒に短縮できているという。

 今回、同AIチャットボットの回答精度を高めると同時に、注文情報を参照することでカスタマーサービスの問い合わせ対応にも適用した。顧客が商品を注文した後のキャンセルや変更、返品に対し、キャンセルや変更などができるかどうかを判定し、その後の操作方法を案内する(図2)。オペレーターの対応と比べ、平均対応完了時間を321秒から10秒に短縮するとしている。

図2: AIチャットボットによる回答イメージ

 ミスミが受ける商品問い合わせの件数は、国内の技術サポート関係だけで年間約10万件。質問を受ける同社のオペレーターの対応時間や対応人数に制約があり、回答までに待ち時間が発生し、顧客のバリューチェーンにおける生産性を低下させる一因になっていた。

 今後は、AIチャットボットを納期や出荷・配送状況についても回答できるようにするなど、チャットによって処理が完結できるようにサービスを拡充していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ミスミグループ本社(ミスミ)
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題商品受注後の問い合わせ対応において、オペレーターの対応時間や対応人数に制約があり、回答までに待ち時間が発生していた
解決の仕組み技術サポート用途で導入していたAIチャットボットを改良し、カスタマーサービスにも利用する
推進母体/体制ミスミ
活用しているデータカタログ、製品情報、仕様情報、過去の問い合わせ履歴などの情報
採用している製品/サービス/技術--
稼働時期2025年8月26日(カスタマーサービスでの稼働開始時期)