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日本海ガス、コンタクトセンターでの開栓受付をAIボイスボットで自動対応
LPガスなどを供給する日本海ガスは2025年8月19日、コンタクトセンターにおけるガスの開栓受付に対応するAI(人工知能)ボイスボットの運用を開始した。自動応答により繁忙期でも応答率を維持できる体制を整備するのが目的だ。同日に発表した。
富山県と石川県を中心に天然ガスやLPガスを供給・販売する日本海ガスが2025年8月19日に運用を始めたのは、コンタクトセンターでのガスの開栓受付に自動応答するAI(人工知能)ボイスボット。繁忙期の申し込み増加に対応するなど、コンタクトセンターの応答率を維持するのが目的だ。
導入したAIボイスボットは、顧客からの電話によるガス開栓依頼を受けると自動音声で対応し、訪問日時や住所、氏名、連絡先などを対話形式で聞き取る(図1)。通話終了後にはSMS(ショートメッセージサービス)で申込内容を通知する。自動対応が難しい場合はオペレーターに転送するため、まずは平日の営業時間内に運用する。
加えてAIボイスボットとRPA(Robotic Process Automation)を連携し、受付後のデータ入力など後続作業の一部を自動化した。オペレーターは入力作業が不要になり、受付内容の再確認や追加連絡が必要な顧客への対応に集中できるようにする。
同社コンタクトセンターでは、年間6万件の電話と8000件のWeb受付に8人体制で対応している。AIボイスボットの導入により、2024年度比で、オペレーター数を減らしながらも応答率を維持できるとしている。今後は、日曜・祝日や平日夜間など営業時間外にも運用する計画だ。
今回の導入は、2030年に向けたグループビジョン「NEXT VISION」に掲げる「グループ全体のDXと業務効率化」の一環。難易度の高いガス開栓業務への適用による効果を測定しながら、ガスの使用停止や「ガスと暮らしの安心点検」といったサービス業務の受付への拡大も検討していく。
AIボイスボットは「commubo(コミュボ)」(ソフトフロントジャパン製)を採用した。先に導入していたCTI(Computer Telephony Integration:電話とコンピューターの統合システム)のクラウドサービス「BIZTEL(ビジテル)」(BIZTE製)と連携させている。採用に当たっては、CTI連携、対応シナリオの自社でのカスタマイズと構築、導入期間、サポート体制を評価したという。
BIZTEL導入以前は、オンプレミス型PBX(Private Branch Exchange:構内交換機)を利用しており、電話の数の変動に対し運用が硬直的になる可能性があった。BIZTELでは、電話対応した顧客をWebサイトなどに誘導する仕組みを導入している。
企業/組織名 | 日本海ガス |
業種 | 公共 |
地域 | 富山市(本社) |
課題 | オペーレーター数が減少しても繁忙期にも応答率を維持したい |
解決の仕組み | ガス開栓受付にAIボイスボットを導入し、顧客対応を自動化する |
推進母体/体制 | 日本海ガス、ソフトフロントジャパン |
活用しているデータ | 顧客との音声データ(訪問日時や住所、氏名、連絡先などを抽出) |
採用している製品/サービス/技術 | AIボイスボット「commubo」(ソフトフロントジャパン製)、クラウド型CTI「BIZTEL」(BIZTEL製) |
稼働時期 | 2025年8月19日(運用開始日) |