- UseCase
- 物流
米FedEx、米国向け通関手続きを支援する生成AIツールを提供
米フェデラル エクスプレス(FedEx)は2025年8月14日(シンガポール時間)、主に米国向けに荷物を送る企業や個人を対象に、通関書類作成を支援する生成AI(人工知能)ツールの提供を開始した。配送管理サービスに標準搭載する。通関書類の不備による配送遅延や追加コストの発生リスクを抑えることでCX(Customer Experience:顧客体験)を高める。同日に発表した。
米フェデラル エクスプレス(以下、FedEx)は国際配送を利用する企業や個人を対象に、出荷準備からラベルの発行、通関関連手続きまでを管理するオンラインサービス「FedEx Ship Manager プラットフォーム」を提供している。
2025年8月14日(シンガポール時間)から、主に米国向けの通関手続き支援する生成AI(人工知能)ツールを標準機能として追加し提供を開始している。通関書類に記載する品目の価額や説明の誤記を防止し、配送遅延や追加コストの発生リスクを抑える。
提供する生成AIツールは(1)「Customs AI」と(2)「HTS」の2つ。
Customs AIでは、HS(Harmonized System:国際的に統一された商品分類)コードを作成するためのチャットボット。利用者が入力した商品情報を元に、対応するHSコードと適切な品目説明を自動生成する。生成情報はワンクリックで出荷書類に反映できる。HSコードには米国の公式関税表へのリンクを付与し、内容の確認や正確性の検証に利用できる。現時点ではオーストラリア、グアム、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、フィリピンで利用できる。
HTSは、米国への通関に必要なHTS(Harmonized Tariff Schedule:米国関税表の分類)コードを特定する機能。利用者が入力した品目説明を元に候補となるHTSコードと、その候補の確からしさを示す信頼度スコアを提供する。輸入関税や税額の算出精度が高まり、コストの見積りが正確になるとする。
FedExによると、書類不備には貨物の保留や追加手数料・罰金の発生リスクがあるにもかかわらず、各国の通関当局が求める情報は複雑かつ頻繁に更新されており、HSコードやHTSコードの記載には専門知識や規則の高度な理解が求められる。
企業/組織名 | 米フェデラル エキスプレス(FedEx) |
業種 | 物流 |
地域 | 米テネシー州メンフィス |
課題 | 国際配送における通関書類の作成では、誤記が原因で配送遅延や追加コストなどが発生するリスクがある。各国当局の規則は複雑かつ頻繁に更新されるため、専門知識を持たない利用者にとっては正確な対応が難しく、顧客満足度や配送の信頼性にも影響する |
解決の仕組み | 顧客が入力した商品情報から最適な分類/関税コードや説明文を自動生成し、通関書類の作成を容易にする |
推進母体/体制 | 米FedEx |
活用しているデータ | 入力する商品情報、HTS/HSコード、各国通関規則 |
採用している製品/サービス/技術 | 配送管理サービス「FedEx Ship Manager プラットフォーム」(米Fedex製) |
稼働時期 | 2025年8月14日(提供開始日。シンガポール時間) |