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東京海上アセットマネジメント、投資分析や企業リサーチに生成AIアプリを全社で利用

DIGITAL X 編集部
2025年9月8日

東京海上グループで資産運用を手掛ける東京海上アセットマネジメントは、投資分析や企業リサーチ業務を対象にした生成AI(人工知能)アプリケーションを開発し、全社での利用を開始した。文書作成や情報整理などの業務負担を軽減し、年間1万時間以上の業務効率化につなげる。生成AIアプリはセキュアなクラウド環境上に構築した。開発を支援したナウキャストが2025年8月19日に発表した。

 東京海上グループの資産運用会社である東京海上アセットマネジメント(TMAM:ティーマム)が2025年4月に全社導入したのは、投資分析や企業リサーチ業務に使う生成AI(人工知能)アプリーケーションの「TMAM AI」(図1)。分析資料の作成や情報整理を効率化し、投資判断に必要な知見を短期に得られるようにするのが目的だ。2025年5月時点では全社員約400人の約70%が利用しており、年間1万時間以上の業務効率化を見込んでいる。

図1:東京海上アセットマネジメントの生成AIアプリケーション「TMAM AI」の画面例。図は、PDF資料を読み込ませ投資判断のためのサマリーを作成したところ

 TMAM AIの主要機能は(1)社内外のデータの統合・分析、(2)投資レポートや企業資料などの解析、(3)生成AIモデルへの入力テンプレート集となる「プロンプトライブラリ」など。文書作成や情報整理などには、生成AIサービス「Claude」(米Anthropic製)などの複数のLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を利用している。

 資産運用会社に求められるセキュリティ要件を満たすためTMAM AIは、TMAMが利用するクラウド環境「AWS(Amazon Web Services)」上に閉域網経由で構築している。利用画面のUI(User Interface)や機能追加のカスタマイズには柔軟性を持たせているという。

 TMAM AIの開発は、Finatextグループで金融機関向けシステム開発を手掛けるナウキャストが支援した。ナウキャストは今後、資産運用業務特有の課題解決機能の追加や社内データ活用のための開発などを提案していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東京海上アセットマネジメント
業種金融・保険
地域東京都千代田区(本社)
課題投資分析や企業リサーチ業務の効率を高め、社員が投資判断に必要な知見を早期に獲得できるようにしたい
解決の仕組み文書作成や情報整理のための生成AIアプリケーションを開発する
推進母体/体制東京海上アセットマネジメント、ナウキャスト
活用しているデータ投資レポート、企業資料、社内外の業務文書など
採用している製品/サービス/技術生成AIサービス「Claude」(米Anthropic製)、クラウド環境「AWS」
稼働時期2025年4月(全社導入時期)