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大鵬薬品、工場設備や生産プロセスの自動化を目指すスマートファクトリー化に着手

DIGITAL X 編集部
2025年9月10日

大鵬薬品工業は製造現場のスマートファクトリー化を図るプロジェクトを始動した。データに基づいて設備やプロセスを自動調整する仕組みを構築し、医薬品の安定供給と品質保証を強化する。そのためにMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)を導入し製造記録をリアルタイムに取得する。スマート化を支援するJDSCが2025年8月22日に発表した。

 大鵬薬品工業は工場のスマートファクトリー化に取り組む。データに基づいて設備やプロセスを自動調整する仕組みを構築する。製造現場が持つ経験や技能をシステムに組み込み、医薬品の安定供給と品質保証を強化するのが目的だ。単なるシステム刷新にとどめず、製造のあり方そのものを進化させる取り組みに位置付ける。

 そのために医薬品の製造過程をリアルタイムに監視できるようにする。具体的にはMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)を導入すると同時に、紙ベースで管理してきた製造記録のデジタル化を図る。

 MESにより、製造現場における作業や設備のデータを収集・統合し生産実態を可視化するデータはAI(人工知能)技術を使って解析し、製造条件の最適化や不具合の予兆・検知を可能にし現場の意思決定を支援する。

 デジタル化した製造記録は常時監視し異常の早期把握や修正ができる体制を整備する。記録業務の効率化とデータの正確性向上を両立させる。

 スマート化に向けては、医薬品の品質管理に不可欠なデータインテグリティ(完全性の確保)やGMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理および品質管理の基準)に準拠した運用設計までをカバーする計画だ。

 プロジェクトは、大鵬薬品の基幹業務システムの導入を支援しているビジネスエンジニアリング(B-EN-G)と、データ解析などを手掛けるJDSCが協力する。B-EN-Gは製薬業界の導入例が多いMESを提供。JDSCはAI技術とデータ解析を基盤にしたプロセスの設計・最適化を支援する。JDSCは今回の成果を業界全体に展開したい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大鵬薬品工業
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題製造プロセスの効率化と生産能力を拡張し、医薬品の安定供給と品質保証を強化したい
解決の仕組みMESを導入し現場データを収集・可視化するとともに紙ベースだった製造記録をデジタル化し、不具合の早期把握や生産条件の最適化などを可能にし、生産の自動化を図る
推進母体/体制大鵬薬品工業、JDSC、ビジネスエンジニアリング
活用しているデータ製造現場の作業・設備データ、製造記録
採用している製品/サービス/技術MES
稼働時期--