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三菱ケミカル、茨城事業所で工場内の情報を一元管理するデータ連携基盤を稼働

DIGITAL X 編集部
2025年9月11日

三菱ケミカルグループは茨城事業所において、工場内に散在する情報を一元管理するためのデータ連携基盤を稼働させた。図面や文書、設備の運転データなどを集約し、データに基づく意思決定などに利用する。データ連携基盤を提供する英AVEVAが2025年9月4日に発表した。

 三菱ケミカルグループの茨城事業所(茨城県神栖市)はナフサを原料にする石油化学製品の生産拠点。このほど、工場内に散在する情報を一元管理するためのデータ連携基盤を導入し稼働させた。図面や文書、設備の運転データなどを集約し、データに基づく工場運営の効率化と迅速な意思決定につなげるのが目的だ。これまでは、工場の運転、設備、生産管理などの別にデータが散在し、情報検索に膨大な時間を費やしていた。

 導入効果について三菱ケミカルグループ 企画管理部 DX推進グループの黒澤 知広 氏は「情報連携により必要な情報へ迅速にアクセスでき、作業効率が向上した。属人性が排除され、これまで限られた人しか扱えなかった情報が誰でも利用可能になった。意思決定に必要な情報が網羅的に揃うことで論理的思考が促進され、判断の質が向上した」と話す。

 具体的には、工場内にある機器をタグ番号から配置図を連携して場所を特定したり、製造部門から設備管理部門への補修依頼時に場所の立体図と必要な情報を一緒に共有したり、設備の状態を監視し異常があれば即座にデータ連携基盤から関連情報を収集して検討したりである。

 今後は、生成AI(人工知能)技術を使ったオペレーションガイドの構築などを検討する。導入済みの生産プロセス分析ツール「PI Event Framework」(英AVEVA製)や設備資産のモデリングツール「PI Asset Framework」(同)と連携した情報活用を進め、意思決定のための論理的思考を強化していくとする。

 データ連携基盤には、「AVEVA Asset Information Management」(英AVEVA製)を採用している。2023年12月から導入を進めてきた。三菱ケミカルグループの運転・設備技術部門とAVEVAでチームを編成し、業務のあるべき姿を定義し、必要な機能やドキュメントを明確化したという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱ケミカルグループ
業種製造
地域茨城県神栖市(茨城事業所)
課題工場内の運転や設備、生産管理に関するデータが複数のシステムに散在し、必要な情報の検索に時間がかかり、データに基づく操業や意思決定に支障が出ていた
解決の仕組みデータを一元管理するためのデータ連携基盤を導入する
推進母体/体制三菱ケミカルグループ、英AVEVA
活用しているデータ工場内にある図面、文書、設備の運転データ
採用している製品/サービス/技術データ連携基盤「AVEVA Asset Information Management」(英AVEVA製)
稼働時期2023年12月(導入着手時期)